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内容説明
平安貴族が歌うのは、色恋や「花鳥風月」だけではない! 『紫式部集』『清少納言集』などの個人歌集や、『更級日記』などの日記には、王朝貴族の日常が刻まれている。出世を望むも左遷されて泣く男。ストレスをため込み、ライバルの悪口を書き連ねる女。銭のために家を売り、無常を歌う歌人……。欲、嫉妬、不満、焦り、嘆きなどを、赤裸々に記した平安文学から、王朝人の真実の姿をあぶり出す。 ●紫式部は女房生活が心底憂鬱だった ●性格の相違で離婚した清少納言 ●地方官就任は僥倖か、都落ちか ●官位が高まれば富は集まり、女も集まる ●禁じられた恋の愉悦 ●浮気が発覚!? 取り繕う男たち ●「長生きしたくない」と嘆く歌人たち ●老いてもなお、情念は埋火のごとく ●病は物の怪 ●妻や子に先立たれる者の悲しみは ●死出の旅路へ 和歌・日記・物語で読み解く、王朝人の「生老病死」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
17
平安貴族も出世や色恋、老いと現代人もまた直面する悩みに遭っており和歌や日記に残す等、人間臭い面が感じられるのが新鮮。紫式部や清少納言などの女流文人が数多くの漢籍や詩歌に通じていた教養の高さや竹取物語等の作品の批評会というレベルの高い文芸活動を行っていた事にも驚く。2024/03/02
chietaro
4
生きることや老いることに悩むことは、今も昔も変わらないのですか、宮廷という華やかな世界で仕事をしたのちに、家を出る売らざるを得ない落差は大きいと感じました。物語の推しについて語らうのは今と同じですね。2024/02/12
マッケンジー
2
図書館で借りた本。日記や物語や和歌で紐解く平安貴族の日常。恋に悩み出世に悩み、老いを恐怖し身近な人の死に涙する。そんな平安貴族の姿は令和の我々とそう変わらないが、男女関係に関しては理解の外の感性。老いて美貌も若さも失った女性たちの嘆きが何ともリアルだ!2023/11/27