内容説明
中国最高峰の伝奇小説に描かれた殺人享楽の世界!――肌肉は裂け、鮮血はほとばしり、絶叫は空を貫く。肉は塩漬け、脂肪は灯油に……。梁山泊をめぐるヒーロー物語の真骨頂は、この残虐性にあったのだ!
殺しだしたらやめられない殺人享楽者、無雑作に子供の脳天を叩き割る冷酷な殺人者、猛毒で夫を殺す浮気妻、旅人の肉を塩漬けにしてしまう居酒屋……。梁山泊をめぐる108人の英雄・豪傑物語には、動乱期中国の残虐・凄惨・冷酷を象徴する場面が数多く描かれている。中国古代文学研究の第一人者が教える、中国伝奇文学「水滸伝」のもう一つの読み方!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
26
初めて子供版でない水滸伝を読んだ時に味方にするためには手段を選ばないところや人肉食のところにビックリしたことを思い出します。著書は脚色なしに水滸伝の残虐な部分をまとめており、水滸伝の一面を読むのに良い本だと思いました。2023/05/08
銀木犀
0
水滸伝、実は読んだことなかった(読んだと思ったが、別の本と間違えていたらしい)。けど金瓶梅は途中まで読んだことがあるので、登場人物が一部同じなので多少は理解できた。中国の古典の残酷さというのは三国志にも西遊記にも金瓶梅にも出てくるけど、あまりにも当然のことのように書かれているので感覚が麻痺していた。こうやって改めて残虐だといわれるとごもっともと思うと同時に、大陸と島国の国民性の違いを感じる。一族郎党皆殺しや、ひどい毒殺なんかの描写はもちろん、纏足とか、科挙、宦官の3大奇習も詳しく描写されるとかなりつらい。2011/07/12