内容説明
パンデミックによって感染症や免疫に関する情報を目にすることが多くなり、私たちの知識も増えたように見える。ただ、そこで出てきた情報は、曖昧なものや誤った情報、感情的なものなどもあり、玉石混淆ともいえる。本書ではあらためて、ウイルスなどの病原体がどのように感染を起こし、免疫がどのように働くのか、その複雑なしくみを、基本から正しくわかりやすく解説する。
また、身体を守るための免疫が、アレルギーの原因となるなど、ときには自分に攻撃的にもなるメカニズムについて解説。免疫が低い場合についてはもちろん、過剰な場合の脅威にも触れる。後半では、さまざまな病気との関連、特にがんとの関係について、期待される免疫療法を軸に展開する。
さらに、免疫は、老化と脳にも深く関わっているという研究が進んでおり、今後の医療への応用も期待できる。認知症や脳梗塞などを、免疫という視点からひもといていく。
目次
第1章 人類の宿命・病原体と免疫の戦い
全世界がウイルスの恐ろしさを実感/免疫のカギとなる「抗体」とは ほか
第2章 ヒトに備わった、5つの感染防御機構
5つの感染防御機/獲得免疫で働く2つのリンパ球・B細胞とT細胞 ほか
第3章 病原体との攻防
過剰な免疫応答「サイトカインストーム」/ワクチンは世界を救うと期待されたが ほか
第4章 自己を攻撃する免疫―― アレルギーはなぜ起こるのか
4つのアレルギー反応/病原体の排除に働く3種類のヘルパーT細胞/アクセルとブレーキのバランス ほか
第5章 炎症とサイトカインシグナル―― さまざまな病気と免疫
骨が破壊される自己免疫疾患・関節リウマチ/アレルギー疾患を増悪化するもの ほか
第6章 免疫とがん
逆転の発想 免疫のブレーキを外せ/「疲弊化」の総元締めNR4aを発見/免疫でがんを治療する ほか
第7章 老化を免疫で止められるか
細胞の老化/免疫の老化/老化は止められるのか ほか
第8章 脳と免疫の深い関係
認知症も免疫と関係があった!/脳梗塞にも免疫が関与 ほか
感想・レビュー
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うつしみ
harumi
J
Roy。
kamekichi29