岩波新書<br> イスラエル

個数:1
紙書籍版価格
¥1,056
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

岩波新書
イスラエル

  • 著者名:臼杵陽
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2023/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004311829

ファイル: /

内容説明

イスラエル国家の暴力性には,いかなる歴史的背景や国内要因が横たわっているのか.統合と分裂のはざまに揺れ動く多文化社会は,これからどこへ向かうのか.シオニズムの論理,建国へと至る力学,アラブ諸国との戦争,新しい移民の波,宗教勢力の伸張など,現代史の諸局面を考察.「ユダヤ国家」の光と影を見つめる.

目次

はじめに
年表
歴代首相
政治勢力の変化
周辺地図
第1章 統合と分裂のイスラエル社会
1 ユダヤ民族とユダヤ教のはざまで ──超正統派ユダヤ教徒と世俗的ユダヤ人
2 ヨーロッパ的イスラエルの中の「オリエント」 ──アシュケナジームとミズラヒーム
3 イスラエルにおける民族対立 ──ユダヤ人とアラブ(パレスチナ)人
第2章 シオニズムの遺産
1 「離散の否定」としてのシオニズム
2 シオニストの夢と現実
3 委任統治期パレスチナとユダヤ人社会の発展
第3章 ユダヤ国家の誕生
1 ナチス・ドイツとパレスチナ
2 国連パレスチナ分割決議とイスラエル独立戦争
3 イスラエル建国とパレスチナ難民問題
第4章 建国の光と影
1 ベングリオン時代のシオニズムとユダヤ教
2 イスラエルの発展と新移民
3 アイヒマン裁判とホロコースト再論
第5章 占領と変容
1 第三次中東戦争と大イスラエル主義
2 一九七〇年代の「オリエンタル・リバイバル」
3 ユダヤ人入植者とパレスチナ人
第6章 和平への道
1 リクード政権の成立
2 一九八〇年代の政治変動
3 湾岸戦争からオスロ合意へ
第7章 テロと和平のはざまで
1 オスロ合意の破綻
2 シャロン政権と9・11事件
3 シャロン後のイスラエル
終 章 イスラエルはどこに向かうのか
1 分裂する国家像
2 アメリカ問題としてのイスラエル
あとがき
本書に登場する主要人物
イスラエル国会選挙結果
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まえぞう

18
ホロコーストは極端にしても、常に差別・迫害を受けてきたユダヤ民族が自分達の国を持ちたいという気持ちはわかりますが、中東系やロシア系など背景を異にする人々をまとめていく理念は何なのかが大きな課題となっていると感じました。それと、イスラエル国内で今後も比率を増していくと予想されるアラブ人との関係も重要ですね。2023/08/20

coolflat

13
16頁。1948年、イスラエルと戦争状態に入ったアラブ諸国やイスラム世界からユダヤ人移民が増加した。イエメン、イラク、モロッコ、イラン、トルコなどからのユダヤ人新移民であった。このような中東イスラム世界出身のユダヤ人をミズラヒームと呼ぶ。191頁。オスロ合意の挫折は結局のところ、和平の果実の分配にあずかれずに不満を蓄積した貧困な社会層が和平に反対する右翼勢力を選挙で支持したためであった。「和平の配当」にあずかれなかった社会集団の代表が貧しいミズラヒームであった。彼らは救済を求めて右翼政党への支持へ傾いた。2016/11/03

Ryo Hirao

13
英仏、ユダヤ人、アラブ人の三角関係によってイスラエル国が生まれたという筋書きが、実は歴史のごくごく一部しか表していないことを知った。排斥、侵略、テロリズム…近年様々な言葉で表現されるなかで対立という一定の静的な関係を想定してしまっていたイスラエル対パレスチナの構図だが、イスラエル内でのユダヤ人の性質の変化などに支えられて実は少しずつ内政的・外交的な政治の方向性も変化している。まだまだ知らないことが多い地域である。2015/07/31

ジュン

8
情勢が緊迫する今こそ読みたい。欧州や中東、北アフリカにルーツを持つ「ユダヤ人」が同居し、なおかつ世俗的から超宗教的な層、二割をこえるパレスチナ系イスラエル人の分裂が極めるこの国がなぜイスラエルになり、どこに向かおうとしているかを簡潔に記述する。2021/05/14

アーロン

8
ユダヤ人と非ユダヤ人、帰還法、近隣諸国との関係、オスロ合意、タカ派とハト派の対立、シオニズム、建国から現在までの流れ、安全保障や経済的援助でのアメリカとの関係など、様々なことを知れた。馴染みのない世界のことなので、読み進めるのに時間がかかったが、日常的にニュースで知る事柄の中身を少しだけでも理解できたので、これは有意義な読書だと思えた!世界を知ることは刺激的だ。2019/05/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/529753
  • ご注意事項