内容説明
イスラエル国家の暴力性には,いかなる歴史的背景や国内要因が横たわっているのか.統合と分裂のはざまに揺れ動く多文化社会は,これからどこへ向かうのか.シオニズムの論理,建国へと至る力学,アラブ諸国との戦争,新しい移民の波,宗教勢力の伸張など,現代史の諸局面を考察.「ユダヤ国家」の光と影を見つめる.
目次
はじめに
年表
歴代首相
政治勢力の変化
周辺地図
第1章 統合と分裂のイスラエル社会
1 ユダヤ民族とユダヤ教のはざまで ──超正統派ユダヤ教徒と世俗的ユダヤ人
2 ヨーロッパ的イスラエルの中の「オリエント」 ──アシュケナジームとミズラヒーム
3 イスラエルにおける民族対立 ──ユダヤ人とアラブ(パレスチナ)人
第2章 シオニズムの遺産
1 「離散の否定」としてのシオニズム
2 シオニストの夢と現実
3 委任統治期パレスチナとユダヤ人社会の発展
第3章 ユダヤ国家の誕生
1 ナチス・ドイツとパレスチナ
2 国連パレスチナ分割決議とイスラエル独立戦争
3 イスラエル建国とパレスチナ難民問題
第4章 建国の光と影
1 ベングリオン時代のシオニズムとユダヤ教
2 イスラエルの発展と新移民
3 アイヒマン裁判とホロコースト再論
第5章 占領と変容
1 第三次中東戦争と大イスラエル主義
2 一九七〇年代の「オリエンタル・リバイバル」
3 ユダヤ人入植者とパレスチナ人
第6章 和平への道
1 リクード政権の成立
2 一九八〇年代の政治変動
3 湾岸戦争からオスロ合意へ
第7章 テロと和平のはざまで
1 オスロ合意の破綻
2 シャロン政権と9・11事件
3 シャロン後のイスラエル
終 章 イスラエルはどこに向かうのか
1 分裂する国家像
2 アメリカ問題としてのイスラエル
あとがき
本書に登場する主要人物
イスラエル国会選挙結果
参考文献
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