民族とナショナリズム

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民族とナショナリズム

  • 著者名:アーネスト・ゲルナー/加藤節
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2023/11発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
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  • ISBN:9784000021968

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内容説明

近代世界の形成に大きな役割を果たしながら,これまで十分理解されてこなかった民族問題.「ナショナリズムとは何か」という難問に,英国哲学界の巨人ゲルナーが,政治社会学,社会人類学などの該博な知識を駆使して解明を試みる.「第1級のナショナリズム研究書」と高く評価されてきた名著,待望の全訳.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

謝辞
凡例
目次
第一章 定義
国家と民族
民族
第二章 農耕社会における文化
農耕-識字政治体における権力と文化
文化
農耕社会における国家
農耕社会の支配者の種類
第三章 産業社会
永続的成長の社会
社会遺伝学
普遍的高文化の時代
第四章 ナショナリズムの時代への移行
ナショナリズムの弱さについてのノート
野生文化と園芸文化
第五章 民族とは何か
真のナショナリズムの歩みは決して順調ではなかった
第六章 産業社会における社会的エントロピーと平等
エントロピーへの障害
亀裂と障壁
様々な焦点
第七章 ナショナリズムの類型
ナショナリズムの体験の多様性
ディアスポラ・ナショナリズム
第八章 ナショナリズムの将来
産業文化──一か多か
第九章 ナショナリズムとイデオロギー
誰がニュルンベルクの側に立つのか
一つの民族、一つの国家
第十章 結論
何が語られていないのか
要約

参考文献
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

67
本書も『想像の共同体』と並ぶ1980年代からのナショナリズム論の代表的な著作で、M.ヴェ-バーにかなり依拠しながら、「民族」の成立が、農業社会から産業社会に移行する中で、その人々の分業化と流動性を確保するための言語を軸とする「高文化」の共有化によってもたらされたと整理する。著者も認めるようにかなり単純化しているが、それだけ議論しやすい問題提起と思う。やはりヨーロッパ中心的で、この論ではインドネシアのケースは確かに説明が困難に感じた。様々な民族論の中に架空の国「ルリタニア」が登場するのは本書の論からだった。2024/09/17

獺祭魚の食客@鯨鯢

44
 SDGsという理想主義(アイデアリズム)の現実性(リアリズム)を考える。 「衣食足りて礼節を知る」世の中がコロナと戦争に明け暮れている中では、そんな空気は吹き飛んでしまった。  資源大国ロシアのなりふり構わぬ振る舞いは、そんなに時代に逆行する様にも思えない。天然ガスや小麦の供給が途絶えそうな今、それでも理想を追い求めますかと彼らは言っているように見える。  わが国のスタンスは150年前の幕末と変わらない。「泰平の眠りを覚ます蒸気船たった四杯で夜も眠れず」 米国のリベラリズム政権の理想主義発言の空虚感。 2022/05/01

非日常口

29
ナショナリズムは同質性、読み書き能力、匿名性を特性とし直接この単位に所属するという愛国主義(p230要約)といえる。「差別=良くない」という条件反射の否定は正しいか?探せば全ての人に差異は存在し、また結び付きもある以上、グループ化やクラス別も言い換えれば差別化となる。耐エントロピー構造が常に存在する複雑系の世界で、何が悪い特性と指定されるのか。農耕社会から産業社会になり、アトム化した個人は分業と協業のシステムにより競争社会で生活をする。スマホによりつながりすぎた現在、上っ面の同質性を強化されやすい。2016/03/03

かわうそ

28
産業化が作った社会の裂け目がナショナリズムがつけ入る余地を与えたのだ。つまり、産業化とは円滑なコミニュケーションの要求であり極めて流動的なのである。産業社会は極めて専門化が進んだのにも関わらずそれぞれに代替可能なのである。すなわち、基礎教育を統一する必要があるのでありそれは国家しかなし得ない。そして、国家は文化、教育を統一して産業社会を支えてきた。そして、メディアなどが言語の統一性の重要性などを喧伝し、ナショナリズムを芽生えさせる種を植えたわけだ。2022/09/21

funuu

28
二人の男は、もし、彼らがお互いを同じ民族に属していると認知する場合に、そしてその場合のみ、同じ民族に属する。換言するならば、民族は人間が作るのであって、民族とは人間の信念と忠誠心と連帯感とによって作り出された人工物なのである。(たとえば、ある領域の住人であるとか、ある言語を話す人々であるとかいった。)単なる範疇な分けらた人々は、もし彼らが、共有するメンバーシップの故にある相互的な権利と義務とを固く認識するならば、その時、民族となる。ある範疇の人々を民族へと変えていくのは、2017/11/23

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