文春e-book<br> 少女が最後に見た蛍

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文春e-book
少女が最後に見た蛍

  • 著者名:天祢涼【著】
  • 価格 ¥1,800(本体¥1,637)
  • 文藝春秋(2023/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163917795

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内容説明

大好評の<仲田シリーズ>第4弾!
最高にエモーショナルな社会派本格ミステリ

「警察官になったのは、あの子の自殺に責任を感じてるから?」

未成年による事件を次々と解決に導く敏腕女性捜査員の心には
かつて、唯一救うことのできなかった少女が深い影を落としていた――

仲田の知られざる過去に迫る
大好評 <仲田シリーズ>第4弾連作集

【あらすじ】
神奈川県警生活安全課の仲田蛍(なかた・ほたる)は、
中学時代の同級生・来栖楓(くるす・かえで)と思いがけず再会する。
来栖は当時、桐山蛍子(きりやま・けいこ)という同級生をいじめており、
仲田は蛍子を楓から守ろうと手を尽くしていた。
しかし、いじめを終わらせることはできず、かえって桐山を傷つけてしまい、
最後は自殺してしまったのだった。
事の次第を聞いた捜査一課の真壁は、
自死の背後に仲田も知らない真相があるのではと感じて調べ始めると、
意外な事実が浮かび上がり――(表題作)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

171
いじめの加害者が「世界はいじめでできている」と最終話で口走るのは真実だ。人は常に自らを誰かと比べ、弱い相手をいじめマウントをとることで他者より優れている証とする。さもなくば自分が劣った存在であり、舐められ惨めになるのが耐えられないのだから。小学生の喧嘩から国家間の争いまで同じ根源であり、いじめこそ最も普遍的な生の形といえる。いじめを甘受する少年少女が悲劇に見舞われる物語は苛立たしく不快だが、彼らを救おうとする仲田蛍の懸命さが浮かび上がるのだ。いじめられた人間は、いじめた相手に復讐する権利があると断言する。2024/12/06

いつでも母さん

170
仲田シリーズ第4弾は5話からなる連作集。なんたって表題になっている最終話にやられる。いじめが愉しいと嘯く来栖楓に嫌悪と怒りとこの社会の虚しさで、私のなけなしの希望はぐしゃっと握りつぶされた感じになった。あぁ、なんということ・・人がいる限り無くならないのか。どうしてこうなっちゃうんだろう。だがしかし、それでも人は足掻く。足搔きたい。ーいじめていい理由なんてあってはいけないんだー2023/12/11

モルク

109
生活安全課所属の仲田螢シリーズ第4弾、5話の連作集。捜査課に依頼され未成年の事件を次々と解決していく仲田は、他の男性捜査員に特別な目で見られている。数々の事件を通し彼女の根底に流れているのは、中学時代の友人を死に追い込んだのではないかという責任だった。それが最終話で語られる。いじめ、ネットの怖さを改めて感じる。いじるといじめるの違い、ほんの軽い気持ち…それがどんなに傷つくのか…とても辛い話だった。解決したとはいえ、仲田の悔恨の心は癒えはしないが、強い気持ちを持つ彼女を今後も見たいし応援したい。2024/06/05

87
気が付かなかったのですが本書が第四弾らしいです。仲田シリーズと言うらしいのですね。一番最初の「希望が死んだ夜に」は読んでいるのですが刑事の名前は残念ながら忘れていました。それでも前作から続いてはいないから話しがわからないということはなかったので安心しました。やはり一番印象に残ったのは表題作である「少女が最後に見た蛍」です。 仲田シリーズ、今まで出版されている物も読んでみようかなと思いました。 2023/12/18

ゆみねこ

85
神奈川県警生活安全課・仲田蛍シリーズ第4弾。仲田が警察官になり子どもが関わる事件を次々に解決に導くその根底にあったものは?唯一救うことが出来なかった蛍子という少女の死が仲田の心に影を落としていた。来栖楓という女が腹立たしく、いじめなどと言う言葉では言い尽くせないほどの性悪さに読み終えても怒りが収まらない。2024/05/01

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