首斬りの妻

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首斬りの妻

  • 著者名:結城充考【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 光文社(2023/11発売)
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  • ISBN:9784334101381

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内容説明

時は天明、戦なき泰平の世。篠山藩右筆の娘・リクは退屈な藩邸暮らしを嫌い、自分らしさを探し求め、剣術の稽古に明け暮れていた。そんなリクに舞い込む縁談話、相手は山田家の養子となったばかりの三輪源五郎だった。当時、罪人の斬首を担当する山田浅右衛門は首斬りの一族として忌み畏れられていた。ゆえに父や藩は反対し、すぐに断ろうとするが、源五郎の剣技を目にしたリクは、その深い度量に惹かれていく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

139
これはもう愛の物語。山田浅右衛門と聞いただけで忌み嫌うのは畏れの証。女と言うだけでなんと拘束されることの多い世にあって、篠山藩奥右筆の娘・渡部里久が選び抜いた言動に天晴れの思いだった。浅右衛門を継いだ源五郎もまた、人品卑しからぬ漢でリクでなくとも私も惚れてしまう。リクの親の気持ちも分かるが、こうまでしっかりした娘に育てたのだ。山田家の存在にスポットライトを当てた連作4話。読友さんのレビューに感謝。お薦めです。2023/12/17

ちょろこ

118
余韻が続く一冊。初読み作家さんが描く、戦のない時代での首斬りという言葉が意味するもの。初めて知った山田浅右衛門という名、代々背負ってきた一族の務め。たしかに忌み畏れられるだろうけれど、誰かがやらねばならないお役目がいつの世にもある、その大切さを改めて感じた。それを誰よりも強く感じ取った一人の女性、里久の姿が良い。周囲の反対もものともせず、ただ一人の男性としての浅右衛門を想い慕う。山田一族のままならない家督の歴史とままならない愛。終わりでもあり、始まりでもある余韻が続く結びはとても素敵。ブレない姿が沁みる。2024/01/17

ren5000

28
剣術の道場に通う篠山藩右筆の娘リクが首斬り山田浅右衛門の嫁になれるかという話でした。そこそこ面白いんだけどなんかちょっと話が浅い印象だった。多分リクが無謀で突っ走りすぎてついてのいけなかったのが原因なのかも。2024/02/21

fuku3

28
2023.12.30読了。本当に懐かしい結城氏。十数年前に女刑事クロハを何冊か読んだ記憶が!それ以来である。当時はチョと読み難いなと思った!時代小説でまた会えるとは!時は天明、十代将軍家治が逝去し東北の飢饉が全国に波及、浅間山の噴火、利根川の洪水などの災いが重なり米が高騰し世間は打ち壊しなど頻繁に起こる騒がし時代!御上の刀槍の試斬りを請負う山田浅右衛門家の当主が亡くなる!跡目相続を弟子の須藤五太夫が奔走する。「首斬り浅右衛門」と武家の中でも山田家は蔑まされていた!牢人身分の家に嫁に出すなどもっての外!2023/12/30

ガットウ

23
★★★★4.3点。作者は私と同世代。若い頃『暴れん坊将軍』や『必殺仕事人』に登場する山田浅右衛門を観て長谷川平蔵と共演させたいと思ったのかなと、勝手に想像。2024/01/30

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