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内容説明
タイ在住20年のライターが綴るタイ社会/タイ人のリアル。旅行先や移住先として人気のタイだが、その実情はどのようなものか。家族も仕事もタイに根差してきたからわかるタイ人の本質とは。日常の小話から政治経済の情勢まで、あらゆる角度からタイ社会の実相に迫る。「格差の根源」「信心深さの背景」「保守層の強さ」「微笑の裏側」など光文社新書noteでの連載から特に反響の大きかった回を中心に、書き下ろしも加えて書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
69
25年ほどタイに暮らすライターによる等身大のタイ論。歴史や政治の展開などについても触れられているが、中心におかれているのはタイの人たちの生態。大きな貧富の差、「微笑み」のうしろにあるものなど、現地で暮らすものならではの内容。ただし著者の立場で書かれていることは留意すべき。日本では遅刻すると校門を閉められて罰せられるなどと書いているが、そうでない学校もある(というか自分はそういう経験は60年に及ぶ学校生活で一度もない)。その点著者はしばしば「ボク」という主語を用い、その主観性を宣言しているのは好感が持てた。2024/04/09
はとむぎ
11
サバーイ。幸せな感じだけど、怒ってる人が多いって複雑な感じ。2024/04/07
BluePlanet
7
★4.0(3.13)2023年11月発行。2002年から21年タイに在住し、妻もタイ人の著者による本当のタイとタイ人の姿を解説。なるほど、ちょっと旅行したくらいではわからないタイのことが詳しく書かれてますね。僕自身、タイには5、6回行ったことがあり、タイ人と旅行したり友人も多くいたが、なるほど住んで働かないとわからないことも沢山ありますね。微笑みの国で熱心な仏教徒というイメージだったが、色々と裏があるようですね。2024/01/04
玉媛
3
タイのドラマや映画を見るうえで解像度があがる良書。WEB連載の時から楽しみに読んでいました。 生まれたときから覆せない圧倒的格差社会、中国ルーツを持ちながらアイデンティティはタイ人という中華系移民の存在、子どもが親に尽くしすぎる(ように日本人からは見える)文化。国王を君主とするピーノーン文化。面白い国です。2024/02/15
NAGISAN
3
著者は2002年からタイに居住(タイ人妻)。仏教・微笑み・親切・親日のイメージしかもたない日本人にとって、意外なタイ人感。確かに、ロータス(CP財閥)のタイ人はしたたかであった。不正確な要約だが、自己及び親族のみが信じられる(中国人にもある)国民性と、国王とスーパー富裕層による統治の妙味によるとする著者の見立ては正しいように思える。東南アジアで唯一植民地を免れたのも、したかたさ故。タクシン派・反タクシン派の都市と地方の覇権争いはあるが、中流層以下は自己の生活に生き、スーパー富裕層に対抗する意識はない。2023/12/02