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内容説明
令和4年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は減っているが、なくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのか。ある犯罪学者は3つの段階を経て人は犯罪へと至ると言った。その人物こそが20世紀ベルギーの精神科医・犯罪学者・作家であったエティエンヌ・ド・グレーフ。国際的にも認められた彼は、誰もが罪を犯しうるとしながら、それでも犯罪を防ぐ方法を模索し続けた。本書ではそんな彼の思想と人生を丁寧に辿っていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりー
3
犯罪者も同じ人間であること。 結果(殺害しろ恐喝にしろ、あらゆる事件)が出るまでは必ず過程があることをあらためて考えさせられたが、いつもニュース見て「どうしたらこの事件は防げたのか」やはり答えが出ないまま、犯罪者の思考を身近に関わってる人が変えてくれたら?警察がもっと動いてくれたら?両親がちゃんと向き合ってくれてたら?と、私の中で悶々としてます。 272ページ「性犯罪者は罰するだけでなく、教育が必要な、進化に適応できない人間なのです。」は、とても納得でした!(最近、性犯罪のニュース多い気がして。。。) 2024/01/18
ソーシャ
3
20世紀のベルギーで活躍した精神科医・犯罪学者・作家のエティエンヌ・ド・グレーフの評伝。日本では知られていないものの、国際的には有名な人らしく、具体的な事例を出しながらド・グレーフの生涯と犯罪の心理プロセスについての学説をわかりやすく紹介しています。あとがきで桶川ストーカー殺人事件のことについて触れられていて、著者の犯罪学についての思い入れが感じられました。あと、文学研究者だけあって文章がかなりうまいです。2024/01/03
jam
1
犯罪を犯した人を悪魔化し、自分から切り離して考える態度に警鐘を鳴らす一冊だと思う。殺人を犯した人も、色々な過程を経てその行為に至っており、途中で止めることは可能。色々なところでストップがかけられればと思う。2024/01/06
ナオ
0
ド・グレーフ 知らなかったわ。「痴情の…」何かよく聴くフレーズの様な気がしてたけど。最悪に至るまでには何かしらあるはずなのよね。42024/02/21
チバ
0
普段犯罪に関わるノンフィクションを読んだりニュースもそういうものに関心がいきがちなので題名に惹かれて手にとった。しかし思っていたような内容とは違いド・グレーフという人物について考察するような内容だった。しかし犯罪学者としてのド・グレーフの章は興味深く読んだ。いくら犯人が精神に問題を抱えていたからといって人を殺したら社会的には殺人犯であり殺人に対する処遇をするべきで精神鑑定が必要になるのはその後というのは考えさせられた。凶悪犯の場合精神鑑定が全ての現状に思える今の実態を更に詳しく知りたくなった。2024/01/14