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内容説明
戦国の世を終わらせ、約260年続く江戸幕府を開いた徳川家康。ただ、その偉業に対して適切な評価がされてきたとは言い難い。豊臣秀吉の没後、豊臣体制の重臣という規定の中で、家康はどのように天下を見通し、太平の世の礎を築いたのか。関ヶ原・山中の戦いから征夷大将軍任官と退官、大坂夏の陣に至っての豊臣氏滅亡まで、一次史料を丹念にたどり、通説や俗説を排して、「人間」としての家康が直面した後半生の課題と決断を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hirao
1
新書には似つかわしくない膨大な史料をベースに、徳川家康の1598年以降の政治動向を著述する。このくらいの説得力のある新書はそうはあるまい。1点希望があるとすれば征夷大将軍辞任以後の大御所としての動静がより知りたかった。2024/02/03
onepei
1
後半生に絞ったことで充実している2024/01/14
オルレアンの聖たぬき
1
実はこうだった家康、こんなだった家康、……いろんな評伝がある中で限りなく史実に近い家康を一次史料から探り出すとこんな家康だったのかと驚きの連続である。新書というよりもこれは論文だ。2023/12/22
文菓
1
本書前半で紙数が割かれる家康の会津攻めは頼朝の故事に倣ったとのこと。本書はそれを歴史を鏡とする家康の個性と捉えているが、近代以前の為政者は東北を攻めることで天下の覇者になるという暗黙の合意が中央の人々に共通概念としてあったのかも、と私は空想した。東北の人々には甚だ迷惑な話だが。そう思うと北畠顕家とか戊辰戦争の意味も何か違ったものと見えるような気がする。あとがき「洞察力・思考力・判断力、そして自らの行動の正当性の淵源としての節度を示す」家康に、世良田三郎を想い浮かべ、『影武者徳川家康』を読み返したくなった。2023/12/20