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内容説明
「ギフティッド」とは天才児、あるいは発達障害児のことだと思っている人は多い。
しかし並外れた才能はあるが天才とは限らないし、必ずしも発達障害を伴うものではない。
障害と才能が相互に隠し合うという点でサヴァン症候群とも異なる。
ギフティッド児の多くは、乳児期からみられる感覚過敏や繊細さ、強烈な興味関心を持つ。
それゆえ保護者は子どもの類稀な才能そのものではなく、生育の難しさや生活の困難さから「この子はほかの子と違う」と当惑することは少なくない。
そもそもギフティッドとはどんな特徴があるのだろうか。
ギフティッド児を理解するための一助となる一冊。
【主な内容】
・ギフティッドの可能性に気づく入り口は「才能」ではなく「困難」や「違和感」
・ギフティッドかどうかの判定が必要なのは子どもが困難を経験している時
・ADHDとの違い
・サヴァン症候群との違い
・90%以上は天才ではない
・「すべての子どもに才能がある」との違い
・ギフティッドかどうかの判定方法
・判定基準は「困難」ではなく「才能」
・学業ギフティッドと知的ギフティッド
・ギフティッド児の特徴と応じ方の例
・代表的なギフティッド教育制度――早修・拡充・能力別編成
・ギフティッド児を育てる親の覚悟
・枠からはみ出る前提で、しかし、言い訳にはしない
・独りではないというメッセージを送り続ける
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
「ギフティッド」は並外れた才能はあるが天才とは限らないし、必ずしも発達障害を伴うものではない。ギフテッドの特徴を理解するための一冊。ギフティッドの可能性に気づく入口は才能ではなく困難や違和感で、その判定が必要なのは子どもが困難を経験している時。ADHDやサヴァン症候群などとの違いとその見極め方も書いてありましたが、その90%は天才ではないことや、どういう方向に才能が現れるかでだいぶ変わってきそうなことなど、いずれにせよ直面する親御さんには覚悟が必要でしょうし、周囲の理解も重要なポイントになってきそうです。2023/12/07
亜希
25
最近「ギフティッド」という言葉をチラホラ耳にするけれど、表舞台で取り上げられるのは並外れた才能を持った子どもであることがほとんどなので、ギフティッド=天才児とは限らない、という本書の一文に興味を持った。「ギフティッドの可能性に気づく入口は、「才能」ではなく「困難」や「違和感」」というのは本当にそうだと思う。ただ読後も結局、ギフティッド=これ、という明確な回答は得られず。そもそも簡単に定義できるものではないのでその理解でむしろ正解なのかもしれないがけれど、私的にはもう少し明確に得るものが欲しかった。2024/02/10
ぐっち
22
「ギフティッド」を翻訳した角谷さんの本。翻訳だけでなく、日本での事例や状況がわかったのは良かった。ただでさえ人間関係があまり得意でない子たちが、飛び級してもうまくいかなそうなことはわかった。結局、発達障害と何がちがうのか、見分け方や対処法は難しい。2023/12/23
呼戯人
21
素人の目から見ても2Eに見える孫のために読んだ本。ギフティッドと自閉スペクトラム症の二つを抱え持っているように見える。知的過興奮性、想像の過興奮性、感情の過興奮性、感覚の過興奮性などの特徴を持つギフティッドにあまりにも似ているので、私は素人ながら孫の心配をしている。わかりやすくまとまっているが、著作を書くのが初めてらしいので、文章のぎこちなさを感じた。情報量が少なく、特に2Eへの対処の仕方など、具体的な指針が少なかった。それでも、日本ではあまり知られていないので役に立つ点はあった。2023/11/23
kitten
14
図書館本。発達障害ではなくギフティッドの話だが、やはり発達障害を伴っているケースもある。単に頭が良い秀才、というわけでもないし。繊細なところが多いので、対応を間違えると大変。日本のギフテッド対応は遅れているが、そもそもギフティッドの子どもに対応する以前の問題で、発達障害の子どもに対しても特別な配慮ができていないケースもあり、うーん。すくなくとも、公立の学校よりは私立の方がいいだろうな。ギフティッドの子どもばかり集める学校ができればいいけど、そこに入るために無理して勉強させる親もいそうで。難しい。2024/01/01