ちくま新書<br> 東京タワーとテレビ草創期の物語 ――映画黄金期に現れた伝説的ドラマ

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ちくま新書
東京タワーとテレビ草創期の物語 ――映画黄金期に現れた伝説的ドラマ

  • 著者名:北浦寛之【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075895

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内容説明

東京のシンボルとして親しまれ、数多くの映画やドラマ作品に映し出されてきた東京タワー。本書は、東京タワーが登場する現存最古のテレビドラマ『マンモスタワー』をめぐる若きテレビ産業の奮闘に迫る。この番組が放送された1958年は、映画産業が観客数の最高を記録した絶頂期である一方で、東京タワーが「史上最大の電波塔」として竣工した年でもあった。映像メディアの主役が映画からテレビへと転換していく時代において、その緊張関係を象徴する『マンモスタワー』のユニークな魅力を気鋭のメディア研究者が描き出す。

目次

序章 東京タワーと映像メディア/東京タワーを「見る」/映画とテレビの対立を描く『マンモスタワー』/生ドラマ/本書の構成/第一部 テレビ時代の到来/第一章 東京タワーの建設とその背景/生みの親・前田久吉/広告塔としての東京タワー/前田久吉と正力松太郎の因縁/放送事業への出遅れ/総合電波塔という「夢」/世界一を目指して/テレビ・映画界からの支援/設計者・内藤多仲/「東京タワー」の誕生/タワー誕生の反響/第二章 テレビ時代を導いた人、正力松太郎/正力松太郎という巨人/テレビ放送への序奏/NHKの開局/街頭テレビの成功/日本テレビ塔の展望台/ゴジラ、テレビ塔を襲う/幻の正力タワー/第三章 初期テレビドラマの困難と成長/ドラマのKRT/初のテレビドラマ『夕餉前』/制約の多いドラマ撮影/テレビドラマとは何か/芸術祭での競争/実利か、芸術か/『私は貝になりたい』とVTR/「同時性」から「アクチュアリティ」へ/第四章 映画とテレビの競合/映画黄金期/新作二本立て/テレビの普及/「映画」は渡さない、テレビとの対立/映画スターたちのテレビドラマ出演/テレビ事業への進出/テレビ映画の製作/第二部 『マンモスタワー』の制作・内容/第五章 ドラマ誕生の背景/「日曜劇場」の歴史/森雅之のテレビ初出演/演出家・石川甫/シナリオ作家・白坂依志夫/白坂脚本の『巨人と玩具』/放送本番に向けて/第六章 映画会社にはびこる因襲と矛盾──『マンモスタワー』考(一)/東京タワーの不気味さ/映画は「色付き、ワイド」/映画会社の自己矛盾/合理化の推進とその障害/流される者と流されない者/映画愛/第七章 テレビという怪物──『マンモスタワー』考(二)/二本立ての強行/テレビドラマ制作の難しさ/テレビと映画の対比/黒木のテレビ出演/ドラマのハイライト/機械と人間/エピローグ/終章 変わりゆく映画、テレビ、そして東京タワー/『マンモスタワー』の反響/森繁久彌の提言/新東宝の倒産とその余波/大宝作品の東京タワー/引用/参考文献/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bura

70
映像メディアの主役が映画からテレビへと転換していく時代。東京タワーの誕生を象徴的に取り上げたマスコミ論。東京タワーが出来るまでの第一部と「マンモスタワー」というKRT(現在のTBS)が制作したドラマを主題とした第二部からなっている。ドラマも映画会社がテレビという新媒体の脅威に怯えるもので当時、画期的な作品だったと思う。筆者はこのドラマの素晴らしさを語りたかったのだと終盤で気付く。テレビの草創期の光と影をユニークな視点で切り取った一冊だが、東京タワーの存在が逆にテーマを分散させてしまい読みづらくなった。2024/09/13

そうたそ

9
★★★☆☆ 東京タワーと当時の歴史的ドラマだという「マンモスタワー」という作品を軸に、テレビ草創期の業界の奮闘を語り尽くす一作。肝心の「マンモスタワー」というドラマは、今では容易に見ることができない作品らしく、恐らく知らない人の方が多い作品だろう。その分、作品についての解説はしっかりされている。知らないながらにも、何となく興味を持って読める内容ではあった。ただ、当時のテレビ業界のエピソードをうまく解説してまとめた、というよりは、長めのコラムを読んだかのような内容ではあった。2023/12/13

takao

2
ふむ2023/12/26

Asaya

1
前半は東京タワーが出来るまで、後半は当時テレビで作られた「マンモスタワー」というドラマを通して、イケイケのテレビ業界と押されまくってあえぐ映画業界の対立構造の物語。どちらかというと前田久吉を中心とした前半の東京タワーが出来るまでの話の方が面白かったかな。後半のテレビVS映画を読むと栄枯盛衰、おごれるものは久しからずなのだなと改めて思う。今はテレビ業界が同じ目にあってるわけで…2024/02/26

anniehappy

0
半世紀あまり前、テレビ の普及によって映画は難しい局面に立たされた。 今、テレビもインターネットの普及で難しい位置にある。 映画もテレビもは衰退しているとは言えないが、これまでのやり方に縛られず新しい方向性を探っていかなければならず、運営、経営は大変だろう。 2024/08/26

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