内容説明
私の母は掃除婦をしながら四人の子どもを育て、障がいを持つ夫を支えた。だが母の厳格さがいつしか私を暴力的にしていった――。湖のそばの貧困家庭で成長していく少女の、十代から二十代までの内面を克明に描くイタリア文学界新星によるカンピエッロ賞受賞作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
50
時に「冷然」と表したくなるほど淡々とした言葉の連なりは、貧困と閉塞感によって醸成される思春期の煮えたぎるような混沌を見せてくれる。語り手の無秩序で捉えがたい感情と、自らの語り手への共感や負の感情が混じりあって、表現するのが難しい読書体験になった。とてもヴィヴィッドだが、読み終えてから身体に浸透するまでに時間がかかる一作。読みながらマルグリット・デュラスの『太平洋の防波堤』を思い出したが、それは正しかっただろうか。とにかく恐るべき筆力の現代文学であった。イタリア文学界の新星か。他作品も是非読んでみたい。2023/11/12
キムチ
47
3人称、低温の空気感でありつつも、饒舌かつ恐るべき行動力で突き進んでいくガイア・・赤毛の少女の成長譚。。と言えばそれまでだが。韓国モノによくある「大家族の重圧から脱し羽搏く顛末」の類?とも思ったが。かなり異なり、随所に伊ならではの論理展開が伺えかなり面白く堪能できた。母の重圧が当人を必ずしも暴力的にするわけはなく、ガイア自身に流れている血もあるように感じる。偏ったルッキズム、衝動的な行動、激情的ともいえる性、学業、他生活多方面への奔流は伊的?或いは。しかし湖水が甘いと叫んだ時もあり、複雑な心の旅路は一興2024/05/20
星落秋風五丈原
21
日本にもいそうな肝っ玉母さんに育てられた長女ならこうなるなってくらいガイアが痛い。青春の痛み。2023/12/26
Hiro
14
一人の少女ガイアの成長物語。湖水も人生も甘くない。2025/06/08
石
7
一人称なのにまるで三人称であるかのような、突き放した文体が印象的 強烈なキャラの母親は勿論だが、主人公も犯罪行為に平然と手を出しており、さながらサイコサスペンスの体を成している でも最後は家族の絆でちょっといい話で完2024/01/25
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