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内容説明
村上作品をキリスト教神学で読めば、ページから違う声が聞こえてくる。悪の問題に正面から取り組んだ『騎士団長殺し』を「不可能の可能性に挑む」「神なき時代の愛のリアリティ」のキーワードで詳細に読みほぐし、最新作『街と~』に至る展開まで鋭く考察。神学と海外事情に精通する著者だから書けた、発見と驚き満載の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
177
佐藤 優、2作目です。私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作はコンスタントに読んでいます。7年前に読んだ「騎士団長殺し」に関する著者の神学的村上春樹論でした。こんなに深読みしたら、かなり疲れそうな感じがします。インテリで世界情勢に精通している著者がキリスト教徒なのが不思議です。 https://www.shinchosha.co.jp/book/475218/2024/02/02
ピンガペンギン
29
元外交官であり国際関係などの多くの著作がある著者は、村上春樹の作品を以前から高く評価しており、キリスト教プロテスタント神学の立場から「騎士団長殺し」を読みといていく。眼に見える世界の外部の姿(イデア、メタファーなど)は選ばれた人間(主人公、まりえ)にしか見えない。「イデアと交流する能力は努力で身につくものではない。」などの文に氏が「予定説」を深く信じていることが伝わってくる。それを読者が受け入れられるかどうかはともかく、この作品含めて、村上作品が海外で真剣に議論されているというのは興味深い。2025/05/16
tom
29
プロテスタント神学に基づいて「騎士団長」を解釈する村上論。私は、村上小説を「悪いもの」を語る物語と思いながら読むことが多かった。「騎士団長」を読んだときも同様。面白く読んだのだけど、「悪いもの」が何を指しているのか分からないままに終わる。佐藤さんは、この本を主人公の成長物語といい、免色を「悪」、「顔のない男」を主人公に含まれる「悪」と解釈している(みたい)。でも、免色や「顔のない男」がどういう「悪」を現わしているのか、ここのところが分からない。興味深いところは多々。村上好きなら一読の価値あるかも。2024/06/22
koji
22
佐藤優による村上春樹「騎士団長殺し」の読み解き。原作の引用とその佐藤優流解釈を物語の進行どおりに進めていきます。著者は、プロテスタント的視点から、『騎士団長』のようなイデア(目には見えないが確実に存在する力)や、『顔なが』のようなメタファー(原型を違う形で表わしたもの、隠喩)など(目に見えない)外部の存在を描くことで、悪の実在、悪からの克服(信頼、愛)を描いた作品と言います。納得。更にセンテンスごとの深い読み込みが散りばめられ、「ねじまき鳥クロニクル」詳解に続き、私はまたも佐藤優さんに打ちのめされました2024/03/24
酩酊石打刑
9
本のタイトル〈こんなにわかる「村上春樹」〉というのはちょっと違うような気がした。文学購読のような構成で、原文を細かく丁寧に分析していく。このようなスタイルもなかなか楽しいが、村上春樹が分かるというのは違うような気がした。作品の読み解きとしては興味深いのだが。本書末尾に「神なき時代において、人間がいかにして愛のリアリティを獲得するかを」『騎士団長殺し』は示したと記していた。しかしその責を担ったのは佐藤氏のようだ。イエスの言行を伝えたマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書のような印象を受けた。2024/04/05
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