ちくま文庫<br> 関東大震災と鉄道 ――「今」へと続く記憶をたどる

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ちくま文庫
関東大震災と鉄道 ――「今」へと続く記憶をたどる

  • 著者名:内田宗治【著者】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438942

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内容説明

1923年9月1日、関東大震災。10万人以上の死亡・行方不明者数を記録した日本史上最大規模の天災だが、人々の生活の動脈であった「鉄道」の被害に焦点が当てられる機会は存外少ない。カオスそのものの限界状況下、列車に載せた命を救うべく奮闘した鉄道員たち、互いを助け合った乗客たち―その機転と智恵から何を学ぶか? 残された声を丁寧に追う貴重な災害史。

目次

井伏鱒二の中央本線脱出行/第1章 根府川駅大惨事/1 国府津発真鶴行き普通列車/第2章 巨大ターミナルと群衆/1 東京駅「早く線路に飛び降りろ!」/2 上野駅 避難列車、発車できず/第3章 急停車した列車の運命/1 関東大震災、被害の全貌/2 一二五本の列車/3 被災列車にドラマあり「海へ墜落してでも進行させよ」/東海道本線 上り急行六列車(下関発東京行き 新橋駅)/下り貨物四一一列車(海神奈川駅)/上り普通七四列車(浜松発東京行き 大磯~平塚間)/下り貨物四二三列車(山北~谷峨間)/下り特急一列車(東京発下関行き 岩波信号場)/横須賀線 上り普通五一四列車(横須賀発東京行き 田浦~逗子間)/熱海線 横浜線 中央本線 東北本線/常磐線 上り普通八一四列車(久ノ浜発上野行き 土浦~荒川沖間)/総武本線 北条線/4 線路、橋、トンネル/東海道本線馬入川(相模川)橋梁/東北本線荒川橋梁/北条線の橋梁群/東海道本線箱根隧道/中央本線与瀬隧道/5 大破、消滅した駅/大船駅/藤沢駅/辻堂駅/茅ヶ崎駅/平塚駅/大磯駅/二宮駅/国府津駅/小田原駅/鎌倉駅/駅本屋倒壊/駅本屋大破/構内官舎倒壊/工場被災 大宮工場/大井工場/6 水を確保せよ/東京機関庫/品川機関庫/高島機関庫/国府津機関庫/山北機関庫/飯田町機関庫/上野機関庫/亀戸駅/安房北条機関庫/7 省線電車と私鉄/中央線 京浜線 山手線/現大手私鉄の前身各社線 京浜電気鉄道/東武鉄道/目黒蒲田電鉄/地方私鉄 小田原電気鉄道/熱海軌道/東京電燈江ノ島線/8 鉄道を襲った津波の数々/東海道本線・熱海線沿線 北条線沿線 横須賀線沿線/第4章 通信と報道/1 鉄道電話寸断/2 新聞記者奮闘す めざせ、大阪一番乗り/第5章 猛火との戦い/1 三日間燃え続けた東京市内/2 東京駅の存亡は、車掌室の死守にあり/3 翌日、猛火は上野駅に迫った/4 都心駅を焼き尽す/両国橋駅 神田駅/5 四〇〇両が、路上で灰燼に帰した東京市電/6 崩れた街を猛火が襲った横浜/横浜駅 桜木町駅 横浜市電/第6章 避難列車/1 避難民を無賃輸送/2 避難列車道中記 大震災に人情あり/3 救援に駆けつけた関釜連絡船/4 復旧への道のり/5 郊外電車の時代へ/おわりに/文庫版あとがき/解説 今尾恵介/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

46
100年前の震災当時に比べて、ハード面の防災は非常に進歩した。しかしソフト面、突然の事態に直面して、どう動けば災害を最小限にできるか、救助や災害後のケア、食料や物資をどうするかに対する備えは、果たして十分なのだろうか。情報伝達など、あるいは当時なかった問題も生まれているのではないか。現代以上に重要な交通機関だった鉄道も、壊滅的な被害をこうむった。記録を丹念に掘り起こし、当時の状況を再現。現在なら当たり前のものが存在しない時代でも人は極力災害に向き合ってきた。地震だけでなく災害への備えを忘れてはならない。2024/01/14

みや

9
関東大震災における鉄道の被災・復旧状況を具に検証した一冊。混乱極まる中での駅員の活躍や被災者の体験談など、当時の記録からの引用が興味深い。ボランティアの組織化が進む以前から、互助の精神で弱者を救済する日本人の美徳も読み取れ、胸が熱くなる。都心の壊滅的被害が郊外への鉄路延伸と大東京形成の起点となったというのも腑に落ちた。復興からわずか20年後には空襲により再び焦土と化した帝都東京。そうした歴史に根ざした日本人の無常観は、災害復興にはポジティブに作用する一面もあるが、悲劇の忘却は戒めなければなるまい。2024/04/18

m

4
100年前の出来事。鉄道の技術は当然であるが、地震の予知、構築物の耐震性耐火性、情報通信等々全く別の次元とも言える程に進化を遂げた現代。しかし、当時と同じ規模の地震が同じ震源地で発生したら。時速300kmで走る東海道新幹線、2分間隔で走る山手線、異常なまでに過密化した都市。考えるだけでも恐ろしい。復興についても、今の時代ならと言える事も多いが、逆に手枷足枷となる制約も多く一概に比較は出来ないと思った。とにかく、当時の鉄道マンの人道的行動、復興にかける情熱が伝わってきた。2023/08/29

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