内容説明
作家・三浦しをんさん推薦!
こんなに現代人の気持ちを代弁してくれるなんて、清少納言はエスパーかなにかなんだろうか。
「美麗で美声なお坊さんに、ついうっとり」って、コンサートに行ってアイドルのきらめきに圧倒される我々と同じである。
十五の講義で徹底解説!
『枕草子』全三百十九段から読みどころを精選。清少納言の鮮やかな筆が、
『源氏物語』全五十四帖の現代語訳『謹訳 源氏物語』の著者林望の解説と現代語訳で甦る。
「今どきの親は……」と嘆く場面もあれば、男女の恋心の機微や、宮廷サロンの雅な情景、はたまた男の不条理さを責め立てたり、男に騙される若い女房たちに苦言を呈したり、抱腹絶倒の笑い話もあり。
学校では教わらない古典随筆の名著の本質に触れられる絶好の入門書。
著者の古典の知識と人間への深い洞察による解説は必読。本書一冊で、『枕草子』の世界が語れるようになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
blue-brass
1
そう言えば、同じ職場の人との何気ないおしゃべりの中で「声がいい」と言われたことがあって、先方は褒めているのだろうけど自分では全くそう思っていないものだから気にも留めない。後に家人となる人からも言われたのでそのフレーズが頭に残っている。本書P157。りんぼう先生によると「女は男の「声」に対して非常に敏感で、好きな男の声は、かならず「いい声」と感じる」のだそうだ。へぇ、そうだったのか。今更だが、惜しいことをしたな。タイムマシンでもあればちょっと出かけてきたいぞ。 辛抱して原文の部分を読み、講釈を楽しんだ。2024/02/22
鈴木貴博
1
読んだことのある「うふふ枕草子」の改版ということを読み始めて知ってしまったと思ったが、「うふふ」を読んだのもだいぶ前でありそのまま読み進める。いくつかの段の原文・現代語訳を掲載した上で分かりやすく枕草子の面白さが説かれており、好著と思う。2023/11/26