集英社文庫<br> 心淋し川

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集英社文庫
心淋し川

  • 著者名:西條奈加【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 集英社(2023/11発売)
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  • ISBN:9784087445657

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内容説明

江戸、千駄木町の一角は心(うら)町と呼ばれ、そこには「心淋し川」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。青物卸の大隅屋六兵衛が囲っている年増で不美人な妾のおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだし…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな唄声を聞く。荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が捨ててしまった女がよく口にしていた唄だった…(「はじめましょ」)など、生きる喜びと哀しみが織りなす全六話。第164回直木賞受賞作。

目次

心淋し川
閨仏
はじめましょ
冬虫夏草
明けぬ里
灰の男

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しげ

81
北海道出身作家(河崎さん)の直木賞受賞の吉報が昨日届きました。同じく道産子で3年前に同賞受賞者した西條奈加を読書中でした。時代小説への苦手意識から西條さん初読みとなりましたが見事に先入観を覆えされた感じです。本編に描かれる心町(うらまち)は何故か幼少を過ごした昭和時代の団地住まいを思い出します。差配茂十の章で結ばれるラストはとても良かった。2024/01/20

shinchan

54
西條さん初読み。ほとんど時代小説を手にしない私ですが、直木賞受賞作と言う事で読んでみました。『うらさびしがわ』と読むんですね。文庫本の表紙の絵に描かれている川は綺麗ですけどね、、、、、、、、。2023/12/19

ダミアン4号

49
与吾蔵さん、良かったじゃないか!トンビが鷹ぁ?言いたい奴にゃ言わせとけ!ほら急いだ!お父っぁんの帰り、首長ぁくして待ってるぜ…江戸の片隅、流れが淀んだ心寂し川。川沿いに心町(うらまち)…そこで暮らす人々。誰でも心の中に淀んだ何かを抱えている。将来(さき)への不安、伝わらない想い、若気の至り、過ち…それらを一切合切、無かった事には出来ないけれど…ちょっとしたきっかけで淀み濁った水溜りも清い流れに変る。木枯らしが吹くこの季節。心町の人達を真似て首をすぼめてみる。こんな季節にゃ温かい食物が一番、一本つけておくれ2023/11/17

tomoko

48
「うらさびしがわ」と読むんだ。江戸、千駄木の寂れた長屋で生きる人々の喜怒哀楽を綴った連作短編6話。“西條作品は厳しさと優しさでできている“という解説に同感。皆様々なものを背負い、もがき、何かを諦めている。そんな中で見出していくささやかな喜び。西條作品は「千年鬼」しか読んでいないが、同じように切ない気持ちになった。そして、この切なさはクセになるかも。2023/11/14

タルシル📖ヨムノスキー

41
江戸・千駄木を流れる小さな澱んだ川、通称「心淋し川」の周りに暮らす人たちの連作短編集。各編の主人公たちは皆、なんらかの傷や後悔、不満や不安を抱えながらも必死に生きている。どんな境遇にあっても自分の居場所や生きる目的を見つけた人は強い。どの話もほろ苦さの中に少しだけ明るい明日が見えてくるのたが、下半身不随の息子を看病する母親の話〝冬虫夏草〟は、なんかちょっと変化球。一番好きなのは四文屋という飯屋の店主・与吾蔵の話〝はじめましょ〟。同じ料理屋で修行し、四文屋の初代店主・稲次が与吾蔵に語った言葉が心に沁みます。2023/10/05

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