ちくま文庫<br> 洲崎パラダイス

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ちくま文庫
洲崎パラダイス

  • 著者名:芝木好子【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438881

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内容説明

「橋を渡ったら、お終いよ。あそこは女の人生の一番おしまいなんだから」(「洲崎界隈」より)。江東区にあった赤線地帯「洲崎パラダイス」を舞台に、華やいだ淫蕩の街で生きる女たちを描いた短篇集。男に執着する娼婦あがりの女の業に迫る表題作「洲崎パラダイス」、満洲帰りで遊郭に身を落とした老女の悲しみをとらえた「洲崎の女」を含む全6篇を収録。

目次

洲崎パラダイス/黒い炎/洲崎界隈/歓楽の町/蝶になるまで/洲崎の女/解説 水溜真由美

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

21
「州崎パラダイス」という装置がそうさせるのか。取り巻く川に囲まれた島のようなまちがそうさせるのか。黒い炎の一文にはぞくっと皮膚が粟立つのを感じた。厭世的なところからの立ち上がりの物語もほしいところだ。2023/12/25

りんだりん

19
1955年12月に講談社より刊行された短編集。かつての遊郭街「洲崎」界隈を舞台とした6篇からなる。橋を隔てた遊郭の内と外、それぞれで生きる女達。「橋を渡ったらおしまいよ。あそこは女の人生の一番おしまいなんだから」というセリフが出てくる。その一線を超えてしまう女、ギリギリ踏みとどまっている女、踏みとどまっているようですでに足を踏み入れているような女。色んな女性が登場する。そこにどうしようもない男たちも出てきて物語は卑猥に哀しく進んでいく。当時の雰囲気を伝える役割をもった本ともいえる。★22023/08/04

あつ子🌼

10
『 #新しい日々 』で大好きになった芝木好子さん。こちらも良かった。赤線地帯に生きる女の物語6篇からなる短篇集です。 男もろともに転落していく女の不可思議な心の綾を描いた『洲崎パラダイス』と、田舎から出稼ぎに来た純朴な少女がするりと羽化するように女になる『蝶になるまで』、老いた娼婦の境遇が身を切るように哀しい『洲崎の女』が特に沁みました。 現代の女性はあの頃より幸せになったのでしょうか?もの思う晩秋の読書です。2023/11/02

mim42

8
戦後の売春街の入り口にある小さな飲み屋を舞台に繰り広げられる人間劇場。遠い昔の人たちの必死な姿は、今の時代にもマッピング可能だ。濹東綺譚のカウンターパートのような雰囲気で好きな感じだが、読後、遣る瀬無い気持ちになる。あはれ。2023/07/17

アメヲトコ

6
1955年単行本、94年文庫化、23年7月復刊。かつての遊廓で戦後は「特飲街」となっていた洲崎、そこに渡る橋のたもとの居酒屋を舞台にした短編集です。「内側」を見下しながらもそこと無縁では生きられない、境界的な場の両義性がよく表現されています。本を半分ほど読んだところで洲崎を歩いてみましたが、もはやほとんど面影もありませんね。2023/09/20

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