内容説明
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席ティンパニ奏者だった著者が、二大巨匠の芸術と人間を論じる。
二人の指揮者とはいわば上司・部下の関係であった著者が、自身の体験にもとづき、その本質に迫った証言の書でもある。
そしてカラヤン晩年、一つの時代の終焉を予告し、指揮者とオーケストラの関係について総括する。
フルトヴェングラーの指揮の一挙手一投足や、カラヤンの閉じた目など、語られるエピソードも数多い。
人間観察の書としての魅力も十分である。
【目次】
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ヘルベルト・フォン・カラヤン/フルトヴェングラーとカラヤン/ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ/支配人たち/音楽学生たち/危機へ至る道/大危機/その後/ヘルベルト・フォン・カラヤン財団の国際指揮者コンクール/ベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミー/即興演奏/私のカラヤン作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョンノレン
42
表題に関心を持った訳ではなく学生時代のオケ仲間がベルリンフィルの伝説のティンパニストであるヴェルナー・テーリヒェンが好きという話を聞き検索したらこの本がヒット。彼は同フィルに'48年〜84年まで在籍し幹事も勤め、フルトヴェングラーの晩年とカラヤンの主席就任から最盛期を目の当たりにしてきた。先ずは’47年のフルトヴェングラーのトリスタンのリハーサルの模様が圧巻。またフルトヴェングラーがテンポとダイナミクスをいじるのは彼が指揮者であるより作曲家としての自身の感性に忠実でその主観的追求は命を賭けるが→2025/12/08
May
2
記録として。音楽のよろこび(バーンスタイン著)の次に読んだ本。単行本でした。まだ書棚にあるんじゃないかしら。H3年度読了。1992/02/02
アリョーシャ
2
フルトヴェングラーと7年、カラヤンと30年共演したティンパニ奏者テーリヒェンの著作。フルトヴェングラーについてはその音楽性を讃え、カラヤンについてはその思い出の日々を回顧する。中立的には語っていない。最後はカラヤンに干されたこともあって、眉につば付けて読む必要はある。とはいえ、カラヤンとの日々を赤裸々に語ってくれているという点でとても貴重。2022/02/18




