超基礎・第二言語習得研究

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超基礎・第二言語習得研究

  • ISBN:9784874248843

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内容説明

SLA研究の基礎知識から最新の研究までを日本語教育の視点から丁寧に解説し、体験しながら学ぶ入門書。言語習得の「目から鱗」知識が満載で読者自身の言語習得のヒントにも。SLA研究の入り口に、日本語教育の現場にも役立つ。

目次

第1章 第二言語習得(SLA)研究とは
1.第二言語(L2)とは
2.SLA研究とは
3.SLA研究の基本的な概念
4.本書の立場
コラム01 ことばのコーパスは宝の山なれど

第2章 二つの言語習得観と言語転移のとらえ方
1.L1習得とL2習得
2.生得主義と創発主義
3.生得主義と普遍文法
4.創発主義と用法基盤モデル
5.言語転移の変遷
6.まとめ
コラム02 いろいろなことばの壁を越えて

第3章 「エラー」のとらえ方の変遷
1.間違いは避けるべきものなのか
2.エラーは徐々に減るのか
3.誤用分析―エラーから考えてみよう
4.中間言語研究―L2使用者独自の言語体系
5.中間言語研究を超えて―エラーからNTLへ
6.まとめ
コラム03 たった一文字の違いでグローバル!?

第4章 SLAの認知プロセス
1.L2習得のプロセス
2.インプットの必要性
3.インターアクションの有用性
4.アウトプットの重要性
5.まとめ
コラム04 言語の4技能+?

第5章 個人差がSLAに与える影響
1.L2習得における個人差
2.言語適性
3.動機づけ
4.動機づけの減退と動機づけストラテジー
5.学習ストラテジーと自己調整学習
6.まとめ
コラム05 もっと深めよう:「学習者×教師」の個人差

第6章 SLAの環境と特徴
1.自然環境と教室環境におけるインプットとアウトプット
2.留学という環境
3.教室環境における文法指導の効果
4.教師の役割とこれからの学習環境
5.まとめ
コラム06 留学したらペラペラになる?

第7章 社会とつながるSLA研究
1.多言語・多文化化する日本と言語サービス
2.日本語習得の落とし穴
3.L1日本語使用者とL2日本語使用者という関係性
4.まとめ
コラム07 多言語表示の落とし穴

第8章 CLD児の言語習得
1.文化的言語的に多様な子ども(CLD児)とは
2.CLD児のL2習得と年齢との関係
3.CLD児のL2習得の目的と言語能力のとらえ方
4.CLD児にとっての母語とは
5.CLD児の母語とL2の関係
6.まとめ
コラム08 二言語「を」評価する? 二言語「で」評価する?

第9章 CLD児への教育と支援
1.日本国内のCLD児を取り巻く現状と課題
2.CLD児のための国の教育政策
3.学校でのCLD児の受け入れ体制
4.教育・支援につなげるためのCLD児の状況把握
5.CLD児への日本語指導
6.まとめ
コラム09 パキスタンからやってきたマリアムさん

第10章 SLA研究に基づく日本語指導(1)ーコミュニケーション能力を育てる
1.コミュニケーション能力とは?
2.外国語の指導法はどう変わってきたか
3.フォーカス・オン・フォームとは
4.習得に効果的な訂正フィードバックとは
5.まとめ
コラム10 文法さえ正しければいい?

第11章 SLA研究に基づく日本語指導(2)ー内容と言語のどちらも重視する
1.SLA研究による理論に支持される指導法
2.TBLTとは?
3.CLILとは?
4.まとめ
コラム11 「あ!地震!」の前に私たちができること

第12章 SLAと評価
1.なぜ評価するのか
2.なにを評価するのか
3.どう評価するのか
4.L2使用者による評価
5.まとめ
コラム12 その「日本語能力」の評価、正しい?

第13章 SLA研究の方法(1)ー研究のタネを見つけて育てよう
1.身近な疑問から始めてみよう
2.先行研究を調べてみよう
3.研究計画の問題点を考えてみよう
4.調査計画を立ててみよう
5.調査方法の工夫
6.まとめ
コラム13 大きな象を観察する小人たち

第14章 SLA研究の方法(2)ー研究を実らせよう
1.リサーチ・クエスチョン(RQ)を立ててみよう
2.研究方法について考えてみよう
3.研究方法のアプローチ
4.結果と考察
5.研究の成果をシェアしよう
6.まとめ
コラム14 言語ポートレート

第15章 SLA研究の今、そしてこれから
1.SLA研究の知見とその応用
2.進化するSLA研究
3.SLA研究の知見を活かす実践
4.近年のSLA研究の展開
5.新たなSLA研究
6.これからのSLA研究―「言語」・「ことば」についての考え方
7.どのように研究するのか―「一般化」か「個別性」か
8.まとめと一言アドバイス
コラム15 L2習得の「成功」とは

参考文献・参考URL
索引
付録
著者紹介