竹書房怪談文庫<br> 煙鳥怪奇録 ののさまのたたり

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竹書房怪談文庫
煙鳥怪奇録 ののさまのたたり

  • ISBN:9784801937536

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内容説明

「かげさん、どした?」
「山口さん家入って人が死んだ」
「かげさん、今日は?」
「宮前さん家入ってまた死んだ」
「かげさんって誰なの?」
「ののさま」

子どもに憑いて死を運ぶ〈影〉と、死亡事故が多発する道路との因果
戦慄奇怪な実話取材録!

怪談収集家・煙鳥が体験者から聞き取りした怪異を自身で綴るほか、気鋭の怪談作家二人が煙鳥に再取材する形で記す異色の実話怪談集。
・北海道で起きたヒグマの怪死事件。猟師が目撃した畏怖なる力とは…「チ・コッ・テレケ」
・アパートの部屋で男の声で聞こえる謎の単語。意味も不明だがある日、聞こえ方に変化が…「へふぁいもす」
・母方の血縁者が何人も同じ夢を見る怪現象。襖からのびてきた手が足を掴み引きずられる、その意味は…「襖」
・柱の中、壁、床下に鏡が埋め込まれていた類似の目撃情報。何かを封じているのかそれとも…「鏡柱」
・瞼の裏に浮かぶ男の泣き顔。祖母から譲り受けた形見の箪笥との因果…「瞼の男」
・幼い頃、田舎の家で出会った男の子と裏山で遊んだ記憶。大人になって疑問が…「裏返る夏」
・東北の集落で年に一度行われる男子禁制の秘密儀式。禁を破って潜入した男が見たものは…「女祭り」
・子どもの影に憑いて移動する〈かげさん〉。かげさんに入られた家からは必ず死人が出るのだが…「ののさまのたたり」
他、膨大な取材録の中から厳選した不気味で奇怪な恐怖譚24話収録!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

高宮朱雀

20
年中、怪異は現と虚の間を行き来する。偶然そこに遭遇した人達の体験談はどれも甲乙が付け難く、体験したのがもしも自分だと置き換えると、二度と御免だと言いたくなる話も少なくない。 しかし、せっかくの体験談が言葉足らずになっていないか?と感じられるモノがいくつかあり、そこが残念。読者の想像に任せるというのも一つの手法だが、原稿の字数制限なのか尻切れ蜻蛉感の否めないモノ、著者だけが理解出来ていて、読者が置いてけぼりになっていないかと思われるモノもあり、モヤモヤした読後感。2023/11/11

佐倉

19
満を持して煙鳥本人が筆を執った『鏡柱』『ののさまのたたり』が収録。どちらも氏の長編怪談の持ち味ーーー単体では意味不明だったり不思議なだけの話が同じ地域で起きた別の怪談、別の地域で起きた同じ怪談などの類話と集約されることで怖さと好奇心が刺激されるーーーは健在。吉田悠軌の北海道ネタ2作や高田公太の投げ槍オチが光る『すいかみさま』真面目に怖い『襖』などリライトも面白い。煙鳥本人の筆の作品がもっと読みたい気もするが後書きでも書いていた聞き継ぎ語り継ぎのサイクルに妙を見出だすならこのままの体制が良いのかも知れない。2023/11/16

tow

9
煙鳥さんシリーズ、好きだなあ。怖くて面白い。一気読みした一冊。もちろん、また書いてほしい。2024/04/01

eyemu

9
一つの話を他方から推測する。 怪談の醍醐味って、推測とか仮説にもあるなー。 …って、吉田さんの影響で思うようになった。 A視点、B視点。 同じ話を視点を変えても繋がるから、凄いよね。 もっと論文チックでも面白いと思うんだけど、性質上C県とかD町とかしか表記でかないから物足りなさを感じちゃうよね。2024/01/26

misui

8
シリーズ四冊目にして肩の力が抜けた日常回というか飲み口すっきりの飲料のような一冊。個人的には大ネタはあまり得意ではないのでこういうのは歓迎です。「へふぁいもす」「鏡柱」「裏返る夏」。後を引かないとはいえ様々工夫が凝らされているのでそれも見どころですね。2023/11/04

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