ちくまプリマー新書<br> 漢字からみた日本語の歴史

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ちくまプリマー新書
漢字からみた日本語の歴史

  • 著者名:今野真二【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2023/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480689016

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内容説明

日本語の歴史とは、漢字の両側に、中国語と日本語とが、緊張関係を保ちつつ形成してきた歴史。万葉集の時代から明治期にかけて、日本語とその表現は多様化していった。しかし現代は?漢字という乗り物に乗って、日本語の豊かさを探る旅に出かけよう。

目次

はじめに──漢字には「意味」がない/何が言語にかたちを与えるか/文字には「意味」がない/漢字にも「意味」はない/漢字は中国語を書くための文字だった/漢字の音・訓/常用漢字表/音がない漢字/漢字が中国語と日本語とを結ぶ/第一章 漢字の向こうに中国語がみえる──漢字しかなかった時代/1 『万葉集』は漢字だけで書かれている/成立当時の姿をさぐる/平安時代には『万葉集』がよめなくなっていた?/2 漢字の二つの使い方/漢字の表音的使用/漢字の表意的使用/3 漢字の向こうに中国語がみえる/中国語を使いこなす人々/漢字二字の中国語らしさ/表意的な表音表記/狐は「コン」?/現代の万葉仮名/二つの言語の接触/中国語に囲まれた『万葉集』/第二章 中国語から漢語へ──漢字が結びつける中国語と日本語/1 中国語を翻訳する/辞書のみかた/翻訳しにくい語/2 中国語から漢語へ/日本語にとけこみはじめた中国語/『類聚名義抄』の訓/漢字の訓とは何か?/「露」字の和訓/第三章 日本語を漢字で書く/1 仮名がうまれてからも漢字を使い続けた/『土左日記』はどう書かれていたか/定家が写した『土左日記』/2 『平家物語』を漢字で書く/漢字で書かれた日記/漢字だけで書かれた『平家物語』/漢字で書きにくい語/3 中世の文字社会/和語も漢語もいっしょくた/中国文化への親しみ/『日葡辞書』では/漢字はフォーマルドレス/第四章 自由になった漢字──明治期の漢語・漢字/1 絵でみる漢語/さまざまな大衆向けの出版物/2 漢語を説明する漢語──中国服を脱いだ漢語/さまざまな漢語辞書/3 振仮名が結びつける和語と漢語/「ツキアイ」と「コウサイ」/漢字で書かない漢語/二層に分かれた漢語/国語辞書の成立/4 日本的な漢字使用/「日本的」とはどういうことか/中国語規範から離れて/百花繚乱の時代/第五章 現代の日本語と漢字/1 「常用漢字表」再考/訓の絞り込み/書き手が工夫するのか、読み手が工夫するのか/同音の漢字による書き換え/漢字を起点にしたみかた/類推の力/2 新しい「心性」/人名の漢字表記/地名の漢字表記/詩的言語の向かう先に……/おわりに/あとがき