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内容説明
トランシルヴァニア山中の城に潜んでいたドラキュラ伯爵は、獲物を求めて英国ロンドンへ向かう。嵐の中の帆船を意のままに操り、コウモリに姿を変えて忍び寄る魔の手から、ロンドン市民は逃れることができるのか。吸血鬼文学の不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
71
吸血鬼の登場する日本のミステリからの流れで読んだ。2023年の新訳で本文の長さは800頁あるが、丁寧な註や地図が付き、楽しんで読めた。もっと古めかしい小説かと思っていたが、手記や書簡から成る構成も面白いし、19世紀末の科学主義に、ドラキュラ(悪)対カトリック(善)、気高い女性と彼女を守る男性の騎士道が重ねられ、ごたまぜ感に思想史や社会史の連想が広がる。訳者の唐戸さんの詳しい解説が参考になる。トランシルヴァニアの古城に旅情をそそられ、観光できるお城があるならぜひ行ってみたいと思う。2024/11/02
tonpie
42
これは不気味な裏声で歌われた、近代ヨーロッパの「賛歌」である。 ドラキュラ伯爵よりも恐ろしいのは19世紀のヨーロッパ人である、と気づかせてくれる。ヨーロッパといっても、産業革命を起動した英国及び西ヨーロッパとその飛び地である米国のことだが。いわゆるビクトリア朝の時代背景のためか、性愛に関してはあくまで禁欲的。物語自体に禁欲ムードが漂う。情感よりも即物的な描写(日記体)が優先する。恋敵だった男同志がきっぱりと女を諦めて結束し、騎士道精神にたかまるのも不気味である。2025/09/23
みつ
41
吸血鬼の代名詞ともいえるドラキュラ伯爵の物語。とはいえ真の主人公というべきは、彼に狙われた二人のヒロインで、彼女たちを救うことに心血を注ぐ男性五人を含めればほぼ全てのストーリーが進む。登場人物が余りに多い外国小説を続けざまに読んだため、この少なさはありがたい。特に前半が優れており、一般に想起されるドラキュラの物語に欠かせない要素がすべて出揃う。その意味では既知の内容であるがそれでもこれだけハラハラして読んだのだから、吸血鬼伝説に馴染みの少ないと思われる当時の読者はどれだけ怖く、また悲痛な思いをしたことか。2025/10/03
スター
38
(ネタバレあり) 映像化作品は未見で、分厚い原作も初めて読みましたが、めちゃめちゃ面白かったです。ザッツ・エンタメって感じの娯楽作品でした。こりゃあ何度も映像化されたのも納得です。 舞台は19世紀。イギリス人のジョナサンは仕事のためトランシルヴァニアの貴族ドラキュラ伯爵と会うため東欧を訪れるが、思わぬ事件に巻きこまれます。 実はドラキュラ伯爵の正体は吸血鬼だったのでした。 丁寧な注釈がついており、当時の風俗もよくわかります。2025/06/22
鷺@みんさー
28
かの名作を初めてきちんと読んだわけですが、読みやすくて良かった。ゴチックホラーミステリだけでなく、冒険小説でもあった。面白かったのは全て手紙や手記など、関わる登場人物の一人称で書かれているところ。その為、吸血鬼の性質とも相まって、「信用ならない語り手」となっていくザワザワ感が非常に宜しい。解説を読んで、手書き=リアリティという概念になるほどと思ったわけだが、これは昨今のモキュメンタリー書籍の手法にも通じるのではないか。この書が速記や一部雑音混じりの音声でツギハギされていたらもっとゾクゾクしただろう。2025/06/04
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