ちくま文庫<br> 世界がわかる宗教社会学入門

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ちくま文庫
世界がわかる宗教社会学入門

  • 著者名:橋爪大三郎【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2023/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784480422279

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内容説明

宗教なんてうさんくさい。うっかりハマったら怖い。だから近づかない。多くの日本人はそう思っている。だけど、どんな国でも地域でも、宗教はすっかり日常に溶け込んでいる。文化や価値観の骨格であり、それゆえ紛争のタネにもなる。宗教を知らなければ、世界の人びとを理解することはできないのだ。この本では、世界の宗教を理解するための基礎中の基礎を紹介。「人類の叡智としての宗教」のエッセンスが詰まった、小さいながら充実の入門書。

目次

ガイダンス 宗教とはなにか/講義1 宗教社会学とはなにか/宗教は、社会構造である/マックス・ヴェーバーの宗教社会学/「宗教」という言葉は、明治時代の発明品/神道は、宗教でない?!/日本人はなぜ、宗教を軽蔑する?/日本人は、宗教について無知だ/エホバの神vsアッラーの神?!/人間は死んだら仏になる?!/日本の神は死者の神/日本は儒教国家だったか/宗教社会学とはなにか/講義2 ユダヤ教とはなにか 契約と律法/ユダヤ教とはなにか/古代文明は、都市国家から始まった/都市国家の戦争は、皆殺しが原則/族長時代のユダヤ民族/モーセと十戒/カナン地方への定着/王国の栄華/王国の分裂と、バビロン捕囚/神殿の再建とヘレニズムの時代/預言者たちの活動/契約としての宗教/『旧約聖書』の成立ち/古代ユダヤ教の成立/コラム:食べてはいけない/講義3 キリスト教とはなにか 福音と愛の思想/キリスト教とはなにか/イエスの生涯/イエスの最期/預言者としてのイエス/イエスの権威/イエスの教え/初期教会の活動/使徒パウロの活躍/パウロの思想/律法から信仰へ/契約の更改/集団救済から個人救済へ/コラム:愛は混乱のモト/講義4 宗教改革とはなにか ルターとカルヴァン/キリスト教の教会組織/公会議とはなにか/ローマ教会vsギリシャ正教会/ローマ教会と二王国論/免罪符の論理/ルターの宗教改革/ルターの思想/改革派とカルヴァン/カルヴァンの救済予定説/ピューリタンと社会契約/講義5 イスラム教とはなにか ウンマとイスラム法/世界宗教/ムハンマドの生涯/神の啓示と苦難/イスラム教の教理/ムスリムの務め/正統カリフの時代/『クルアーン』の成立ち/イスラム法とはなにか/イスラム法の法源/クルアーンとスンナ/イジュマーとキヤース/四大法学派/イラン・イスラム革命/コラム:死んだらどこへ行くのか/講義6 初期仏教とはなにか サンガの思想/輪廻とカースト/釈尊の生涯/初期仏教の思想/仏教サンガの成立/サンガの戒律/仏教テキストの構成/部派仏教の成立/部派仏教の教理/部派仏教の世界観/言語ゲームとしての仏教/講義7 大乗仏教とはなにか 菩薩・般若・極楽浄土/仏塔信仰と大乗仏教/歴劫成仏──在家修行の強調/初期大乗の経典/般若教団(中観派)の教理/多くの仏陀たち/浄土教団と阿弥陀信仰/法華経と法華教団/華厳経と華厳教団/曼荼羅と三身説/密教の世界──胎蔵界と金剛界/タントリズムの世界/コラム:般若心経/講義8 中国と日本の仏教 仏教の伝播と変容/南伝・北伝/中国と仏教/漢訳仏典/教相判釈/天台の五時教判/禅宗/日本への伝播/南都仏教/天台宗と真言宗/浄土信仰/武士と禅宗/法然と浄土宗/親鸞と浄土真宗/日蓮と法華宗/律宗と時宗/江戸幕府の宗教政策/富永仲基の大乗非仏説論/廃仏毀釈/コラム:戒名なんていらない/講義9 儒教とはなにか 孔孟の思想・朱子学/中国社会の基本構造/都市国家から帝国へ/新興階級の台頭/孔子の生涯/孔子の業績/孔子の思想/儒教のテキストについて/孟子の生涯/孟子の思想/中華帝国の成立と儒教/朱子と朱子学/朱子学と理/気の思想/コラム:論語/講義10 尊皇攘夷とはなにか 山崎闇斎学派と水戸学/江戸幕府はなぜ儒学を採用したか/中国が、夷狄の国となった/天皇は中国人だった?!/闇斎学派は、幕府の正統性を否定した/湯武放伐論のおさらい/『靖献遺言』は勤皇の志士のバイブル/水戸光圀と『大日本史』/水戸学と尊皇思想/赤穂義士論争と明治維新/講義を終えて 再び宗教を考える/さまざまな世界の宗教/経済活動と宗教/日本人はなぜ勤勉か/政治と宗教/法律と宗教/葬礼と宗教/国家と宗教/あとがき/文庫版あとがき/宗教社会学関連年表/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

57
宇宙論における佐藤勝彦氏のような存在か?初学者にも読みやすく要旨も明快。目から鱗がポロポロ。但し300頁にも満たない枚数で世界の宗教を語るという量的制約上、結論のみで推論過程が省略されている為、丸ごと信じるのは危険。興味を持ったら他の専門文献も当たるべし。特定宗教に帰依する者には受け入れ難い記述もあるので要注意。個人的には10年前の刊行開始時に挑戦・挫折したミルチア・エリアーデの「世界宗教史」全8巻に再挑戦したくなったが、まだ慌てる時期でもあるまい。ギボンの「ローマ帝国衰亡史」全10巻と共に老後の楽しみ。2011/02/27

あちゃくん

33
最近ハマっている橋爪先生の著作。現在世界を動かしているものの背景にある宗教の存在が知れてよかったし、もっともっと勉強しなきゃという気になりました。現在日本は無宗教の国だと思っている人が多いけど、その底流として仏教や儒教の影響があることをもう少し自覚的にならなきゃなとも思いました。2013/07/23

まさにい

21
近代憲法における自由の観念は、宗教からの自由に端を発することは定説になっている。この本は一度発売当時に読んだことがあるのだが、憲法の自由の概念について、今回講義することになたので、もう一度キリスト教と西欧ヨーロッパの関係を復習すべく読み直してみた。読み直してみて、再発見した部分などもあり、非常に参考になった。今回再発見したのは、ルターの宗教改革と日本の一向一揆の同時代性である。この関係をこれからちょっと考えてみたい。2019/08/25

佐島楓

18
疑問に思っていた点がいくつか解決した。思わず膝を打ってしまうような(ユダヤ教やイスラム教の食物規制にはこんな意味があったのか、など)箇所があった。欲を言えば、もう少し用語解説がほしかった。特に仏教の漢字連発は辛い。2012/01/18

シエスタ@多摩

16
恥ずかしながら、最近までキリスト教とイスラム教が指す「神」が同一であることを知らなかったため読んでみた。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教等の成り立ち、共通点と相違点をある程度分かりやすくまとめてある。ダイジェストだから、宗教草創期の話の流れが分かりにくい面はやむを得ないでしょう。日本と諸外国の宗教観が決定的に違っている点につき、指摘されていて興味深かった。日本人の宗教への関わり方がチープなのは、江戸幕府や明治政府の政策に端を発するものであるという話も面白い。2011/09/09

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