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内容説明
紫式部の生きた時代、陶磁器・ガラス・布・香料など、王朝生活を彩る舶来品は、高価で入手しにくく、入手できるかどうかは権力とのかかわりによって大きく左右された。「唐物」をキーワードに王朝文化の世界を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
14
唐物と平安時代という感じ。唐物という異国渡りののモノと物語が通じているかをなぞっていく。「竹取物語」「うつほ物語」「源氏物語」など如何に煌びやかな場面があったのかがわかる。香料や貂皮など初めてきくモノもあった。2024/02/14
佐月
3
『源氏物語』の作中に登場する様々なアイテムが当時どのような意味を持っていたのかを掘り下げ、時代背景と作品への理解を深めるのに役立つ本。非常に丁寧な説明が成されている為、日本古典文学を読み慣れていない人や『源氏物語』を通読していない人でも楽しんで読めると思う。個人的に織物の話と紙の話は非常に面白く、興味深い内容だった。内容はしっかり掘り下げてあるが、文章は平易で読みやすい。大河ドラマから『源氏物語』や紫式部に興味を持った方にもおすすめしたい。2024/06/05
芙蓉葵
2
とにかく読みやすい本だった。主題はぶれず、各章のテーマに沿った内容を20ページ程度にまとめてあるので、一つ一つ確かめながら読むことができる。また大学の講義のように時代背景を扱った後に個々の物品にフォーカスを当てる流れがとても丁寧で楽しんで読むことができた。タイトルに王朝文化とあるように源氏物語以外の王朝文学、栄花物語や更級日記などにも触れそれらと源氏物語の描写を対比して確認しており、時代に通底する要素を知ることができる。紫式部の人生経験が源氏物語に色濃く現れていることを再確認させてくれる本だと感じた。2024/10/25
ふむ
2
源氏物語やその他平安文学に出てくる唐物や、朝廷の唐物について。「光る君へ」に合わせて何か読みたかったが期待以上で、中関白家、清少納言、為時と越前国、宣孝の御嶽詣などにまで言及されていて、しかも読みやすい。多くページが割かれていた「薫物」は、写真や現物を見ても香りまでは想像するしかなく、興味を惹かれた。香料全てが舶来品のため大変な贅沢品だったらしく、雅な世界だなと。2024/05/22