何か本当に重要なことがあるのか? - パーフィットの倫理学をめぐって

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何か本当に重要なことがあるのか? - パーフィットの倫理学をめぐって

  • ISBN:9784326103256

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内容説明

『重要なことについて』刊行直前にシンガーが開催したセミナーには、パーフィットと反対の立場をとるジャクソン、シュローダー、ブラックバーンら、名だたる哲学者が招かれた。このセミナーが「倫理学における客観主義」の議論にも刺激を与え1冊の重要な本書として結実するとともに『重要なことについて 第3巻』をも生んだのである。

目次

序文/謝辞[ピーター・シンガー 訳・森村 進]

第1章 パーフィットの一生は無駄だったか?――『重要なことについて』第VI部に関する考察[ラリー・S・テムキン 訳・三浦基生]
 1 序論
 2 規範的理由の因果的効力
 3 内在主義と外在主義の距離を狭める
 4 パーフィットの一生は無駄だったか?
 5 結論

第2章 メタ倫理学の山の二つの面?[ピーター・レイルトン 訳・森村 進]
 1 序論
 2 「決定的な戦場」
 3 概念と性質――ソフトな自然主義者のディレンマ
 4 自然主義の諸タイプ
 5 概念と性質――第二の峠
 6 規範的な概念と規範的な役割
 7 「異なるカテゴリーにあることは否定できない」――規範性の反論

第3章 規範的概念と意見の不一致に関するパーフィットの見解[アラン・ギバード 訳・森村 進]
 1 パーフィットの非自然主義
 2 もしわれわれが非因果的な応答を説明にとって基本的なものとしなかったら
 3 概念と性質
 4 重要であるということ

第4章 オール・ソウルズの夜[サイモン・ブラックバーン 訳・森村 進]
 1 あるアナロジー
 2 アナロジーを応用する
 3 どこが間違ったのか
 4 それ自体のために
 5 誤読と停滞

第5章 パーフィットの誤ったメタ倫理学[マイケル・スミス 訳・森村 進]
 1 理由原理主義と信念への理由
 2 行為への理由
 3 欲求や目的やその他の態度への理由
 4 価値の分析
 5 結論

第6章 「本当は」何も重要でない、しかしそれは重要なことでない[シャロン・ストリート 訳・山本啓介]
 1 序論
 2 通常の規範的な意味における理由の概念が原始的で還元不可能だということにわれわれは皆賛同できる
 3 通常の規範的な意味における理由の概念は外的理由の概念ではない
 4 分析的外在主義?
 5 通常の規範的な意味における理由があるということにわれわれは皆賛同できる
 6 ウィリアムズへの短い回帰と認識論的懸念への移行
 7 進化論的暴露論法に対するパーフィットの返答が失敗している理由
 8 実在論、有神論、因果的な脅威としてのニヒリズム

第7章 重要なことを知る[リチャード・Y・チャペル 訳・森村 進]
 1 因果的源泉に基礎を置く懐疑主義
 2 積極的見解
 3 現実の意見の不一致と可能であるにすぎない不一致
 4 結論

第8章 ニーチェと規範に関する収斂の希望[アンドルー・ハドルストン 訳・森村 進]
 1 序論
 2 ゲームの規則
 3 遣稿の問題
 4 ニーチェと苦しみの価値
 5 ニーチェの平等主義観
 6 ニーチェの道徳批判
 7 メタ倫理学とメタ価値論
 8 結論

第9章 倫理学における還元主義を擁護する[フランク・ジャクソン 訳・森村 進]
 1 共通の基礎
 2 必然的同一外延を支持する議論
 3 ライプニッツの法則のトラブル?
 4 倫理的性質と自然的性質の必然的同一外延が持つ意義
 5 パーフィットの瑣末性の議論
 6 リアルな意見の不一致からの議論

第10章 メタ倫理学のどこが重要なのか?[マーク・シュローダー 訳・森村 進]
 1 なぜパーフィットの生涯は無駄でなかったのか
 2 保守的な還元的実在論
 3 瑣末性の反論
 4 造山運動

ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

11
「おれが一生をかけてやってきた(メタ)倫理学の研究にはなんの意味もなかったのだ、、、」と落ち込む重鎮を、業界関係者が「そんなことないですよ!パーフィットさんの仕事は、みんなの心の支えです」と慰めるための本、、、、ではないらしい。 全般的に翻訳がいまひとつだが、章によっては(ストリートのところとか)ちゃんと意味がわかるので、訳ではなく、元の論文の難易度に凸凹があるのかもしれない。なんとか最後までたどり着いて、「序文」にもどったらなるほどこういうことか、、、とちょっと腑に落ちた(↑はじめに戻る)。2023/10/22

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