内容説明
同じ双子の姉として、野乃を大切に思う寧音の気持ちが痛いほどわかって、何度も泣いてしまいました。(俳優・三倉茉奈)
読む年代や立場によって、いろいろな感想が持てそうな作品だと思いました。(小説家・河合二湖)
生まれる前に双子の妹・野乃を亡くした寧音は、中学1年生の今も、心の中にいる野乃に話しかけたり、拠り所とするなど、特別な存在として思い続けている。
そんなある日、母である奈菜ちゃんのおなかに新しい命が宿ったことを知って――。母の妊娠と家族、中1少女の心模様を描いたYA小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
67
中一少女ネネの心の中にいる生まれなかった双子の妹ノノの気配と母のお腹の中にいるまだ生まれていない妹の気配を交叉させながら、生まれて時を刻んで来た自分の心の中の世界を護るためのネネの処世を描く。「飛ぶ教室」というより「お、教科書の光村!」と思ってしまっう行儀のよい物語なのだが、白眼で表情控え目なカシワイさんの挿絵との相乗効果で作者らしい達観と浮世離れ感が滲み出ていてとても面白いYA作品。空想を現実より優先させ過ぎると「本物の人達」が傷つくことを自覚して距離を測り大切な心の世界を護るという発想が大変にリアル。2023/12/17
にいたけ
37
戸森しるこさん2冊目。カシワイさんの挿絵。自分のことはどこまで人に伝えるべきかがテーマなのかな?人との距離感?自分も産まれる前に亡くなった兄がいた。父母が亡くなった今、彼のことを語れる者はいなくなってしまった。母にとって私や弟は「るるちゃん」。次に進むためには後回しなこともある。忘れたわけではない。書き下ろしのラストが良かった。2023/12/10
みつばちい
30
寧々には双子の妹がいたが、産まれるときに亡くなってしまった。でもたまに匂いを感じたり、心の中でいつも存在を感じている.でも周りに話すと可哀想と言われるので中学生になってからは口にしないようにしていた。そんな中お母さんのお腹の中にあらたに赤ちゃんがいることがわかり、、? 戸森さんの本は勤務先で児童に人気なので読んだ。寧々の、友達との関係性や考え方が好きだな。卓越してて。少しだけ戸森さんのゆかいな床井くんを思い出した。すこし哲学的だと思った。「ぼくらは星を見つけた」もそうだけど最近ふわふわした雰囲気ですね。2024/02/10
タカギ
27
イマジナリーフレンドの変型判のような感じ。13歳の寧音には生まれなかった双子の妹がいて、なにかあると彼女に話しかける癖がある。そんな彼女の家族と友人の話。基本的にみんないい人なので、読んでいて嫌な気持ちにはならない。読んで良かった。2023/12/06
まる子
27
中1の寧音には見えない大切な人がいる。それは双子で産まれてくるはずだった妹の野々。いつか周りが忘れてしまうかもしれないけれど、私の心の中にいる。ヒッキーにもスゥがいる。だから気持ちはわかる。これをイマジナリーフレンドと呼ぶのかはその人次第だけれど、もしかすると自分にもあったのかもしれない、自分にしかわからない大切な存在。タイトルの「ーノノノ」ノが3つ、何だろう?と思ったら!読んだらわかった✨今回はふんわり優しい戸森さんでした。2023/11/30