日本経済新聞出版<br> 21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓

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日本経済新聞出版
21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓

  • ISBN:9784296116270

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内容説明

中央銀行の使命を歴史から問い直す
インフレ、雇用、金融危機――。経済の変化にどう対応すればよいのか。
ノーベル経済学賞受賞の元FRB議長が歴史を通して未来を展望する。

■現代の経済をコントロールする最強の権能をもつ中央銀行。その目指すべき姿を探るには歴史の扉を叩くことが不可欠である。
■なぜ1970年代、大インフレが生じたのか? ボルカーのインフレとの戦いを支えたアイデアとは? グリーンスパンをどう評価すべきか? バーナンキ時代の危機対応の真相は? イエレン議長の果たした重要な役割とは? パウエルの独自性とは?
■大インフレ、バブル、世界金融危機、低インフレ・低金利、そして、ゼロ金利の解除、金融不安定化、インフレへの対応、中央銀行としての独立性の確保――。連邦準備制度(Fed)は雇用の最大化、物価の安定を二大責務としつつ、いかにして経済・金融の変化に対処し、現在の姿にたどり着いたのか? そして、これから先に何が待ち受けているのか?
■連邦準備理事会(FRB)議長を務め、ノーベル経済学賞を受賞したベン・バーナンキが、自らの議長時代を含む過去70年間のFedの政策立案の歴史を解き明かす。あわせて経済環境が劇的に変化するなかで、21世紀におけるFedの金融政策の手段、枠組み、コミュニケーション戦略の劇的な変化、そして新たな課題を示す。
■また、量的緩和、フォワード・ガイダンスなど、世界の中央銀行の中でイノベーティブな政策を次々と先駆的に打ち出した日本銀行の政策についての評価も行う。

目次

日本語版への序文

序 章

第1部 20世紀の金融政策:インフレの上昇と低下
第1章 大インフレ
第2章 バーンズとボルカー
第3章 グリーンスパンと1990年代のブーム

第2部 21世紀の金融政策:世界金融危機と大不況
第4章 新しい世紀、新しい課題
第5章 世界金融危機
第6章 新たな金融政策の枠組み:QE1からQE2へ
第7章 金融政策の進化:QE3とテーパー・タントラム

第3部 21世紀の金融政策:解除から新型コロナパンデミックへ
第8章 解 除
第9章 パウエルとトランプ
第10章 パンデミック

第4部 21世紀の金融政策:待ち受けているもの
第11章 2008年以降のFedの政策手段:量的緩和とフォワード・ガイダンス
第12章 Fedの政策手段は十分か
第13章 政策の実効性を高める:新たな手段と枠組み
第14章 金融政策と金融の安定性
第15章 Fedの独立性と社会における役割

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参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

83
《柔らかくしかし真摯に金融政策説く》(1)米FRB(連邦準備制度理事会)元議長で2022年ノーベル経済学賞受賞者が書き下ろした、FRBのこれまでの政策史と今後の展望。議長時代に伺えたお人柄そのままに分かりやすい文章で取っ付きやすい内容です。分厚いのとこれまで金融政策に全く興味の無かった方には骨が折れるかもしれませんが。しかし、米国だけでなく日本含む主要国の金融政策がこれまでたどって来た歴史や、今どのような効果を期待されているかについて出来る限り伝えて行こうという情熱が伝わって来るのです。(1/7) 2024/03/18

koji

12
2024年の日本経済の最大の注目点は、日銀のマイナス金利がいつ解除されるか。年度末を迎えて、愈々秒読みのように報じられていますが、ここは一つ、バーナンキのこの大著でもう一度確り出口戦略を考えることにしました。本書は、米国の20世紀の金融政策の歴史、「量的緩和策とフォワードガイダンス」の21世紀の金融政策を精緻に分析的に書いています。21世紀の金融政策は先進国のどの中央銀行も取組んでおり、そこに彼我の差は余り感じませんが、なぜ日本がこれほど「金融緩和の出口」に苦しまなければならないか(続きはコメント欄で)2024/02/06

人生ゴルディアス

6
FRBの大まかな歴史と、90年代以降、インフレより低金利が問題になってからの中央銀行の役割。それからもちろん最後の貸し手として最も試練に晒されたGFCの話も。コロナ時~後の混乱はあまり言及されず。すでに議長じゃなかったこともあるだろうが、GFCの再来+訓練の成果を発揮しただけ、という感じなのだろう。量的緩和については、いわゆる輪転機を回すというのとはだいぶ違うとか、なぜ効くのか、副作用は、等の事後解析も。今一部で話題のRRPについても2019年のレポショックと併せて解説あり。長いけどさすがの内容という感じ2023/12/14

Kooya

2
米国の金融政策史を辿りながら中央銀行の在り方について論じた本。著者自身もFRBで理事・議長を務めており、在任時の経験や出来事の裏話も適宜紹介しながら議論を展開している。本書には市場関係者や一般大衆とのコミュニケーションに中央銀行員が腐心する様が描かれている。例えば、著者は証券買い入れのペースの弾力化を目的として2013年の5月に議会でペースダウンの可能性に触れ、6月の記者会見で「データ次第では今年の後半にペースを落とし始める事が適切だと現時点で予想している」と述べた。(コメント欄へ続く)2023/11/28

読書マン

0
465ページもあるが、その分詳細な記述で読みやすい。議長時代の話は面白くないが、過去と現在のFRBの政策についてよく分かった。日銀の話が随所に出てきており、日本人にとっては、他国の読者よりも理解しやすいと思う。2024/03/10

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