内容説明
演劇する集まりを立ち上げ、「FICTION」と名付けた。人が入れ替わりながら、わたしは残り、十六年つづけ、小説も書くようになった。仲間のひとりは夭逝し、もうひとりは体が半分しか動かない身で小説を書こうとしている。二度の大病をしたわたしは回顧し始める。死と生、芸術を奔放なスタイルで思索する連作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2023年11月初版。初出「新潮」2019年1月号、5月号、10月号、20年5月号、9月号、21年2月号、7月号。大幅な加筆・修正。山下さんの著作は初読みかと思ったら、四冊目でした。読書メーターのレビューを見たらすべて「オイラの苦手な芥川賞作家でした。」と書いていた。その通りでした。新刊コーナーにあるのを見境無しに借りるから、こういうこともあるのだ。2023/12/16
taxx
1
自伝的小説。FICTIONの劇が大好きで観に行っていたので、それぞれの顔も声も生々しく蘇って来る。その裏での壮絶さも窺えるが、あの観劇体験は改めて財産。2023/12/13
gua5113
0
最初の10頁くらい、なんじゃ? この文体は! って思ったけど、ふいにすーっと心に沁み込んでくるように、すらすら読めた。 FICTIONと題しながら、限りなくNONFICTIONなのではないかと、勝手に想像してしまう。 「お客様は神様です」云々のくだり、恥ずかしながら、知らなかった。 この数行だけでも、この本を手にした意味が、私にはあったと、断言できる。2024/01/27
はる熊猫
0
長くはないので読破できたが、とっつきづらい。私小説すぎて「エッセイの方がいいのでは?」と思ってしまった。2023/12/14