紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」

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紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」

  • 著者名:古川日出男【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2023/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103060802

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内容説明

一条天皇の后が里帰り先で臨月に。その父で朝廷の最高権力者・藤原道長を始め、皆が固唾を飲んで見守る中、后に仕えるわたしはなぜかブルーで、グルーミィ。そのわけをあなたにお伝えします。二〇二四年大河ドラマで大注目、世界的文学を書いた当時の最先端女性のすっぴんダイアリーを、現代の「同業者」がリ・リリース!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あやの

51
面白いコンセプトの本だった。原文ではまだ紫式部日記は読んでないのだが、現代語訳したらこんな感じなんだろうなぁ。心情を表すキーワードとして「グルーミィ」が多用されているのが面白い。彼女が内省的と言われるのもよく分かる書かれ方だった。その割に周囲の女性達の性格を観察し、評価を下しているのが面白い。やはり日記ということなのか、それとも筆者の文体の特徴なのか、源氏物語の作り込まれた文体とは違い、断片的でメモみたいな箇所もあり、面白いと思った。原文を見てみよう。2024/07/14

なお

49
紫式部が現代の言葉で語る『紫式部日記』。初産を控え土御門邸で過ごす中宮。邸内の風情は美しく管弦や薫物等を雅に楽しむ。お産が始まり人々は右往左往。高僧達は大声で霊媒(幼い巫女)を調伏し祈祷を行い、式部も涙ながらに無事を祈る。この時代の出産は物の怪との戦いであった。いつの時代も気になるのが同僚達のあれこれ。赤染衛門の風格ある歌に感心する一方、和泉式部の言動や清少納言については…。賀茂の斎院に仕える女房もライバルだったよう。著者は『平家物語』も訳しているが、むしろ『源氏物語』と式部の感性に無常を感じるという。 2024/05/30

ぐうぐう

41
従来の古典作品の現代語訳と比べると、かなり異質だ。なにせ、タイトルにあるように紫式部本人が現代語訳しているという設定なのだから(そんなアクロバティックな方法が可能なのは、紫式部と同じく、古川日出男もまたフィクション・ライターであるからで、その特権を古川はいかんなく利用する)。『紫式部日記』は脈絡がないように思える記述や、愚痴のような独白も多く、もちろんそれは日記ならではのコトと言えばコトなのだが、しかし古川日出男は紫式部に「「書かれてしまったら、読まれる」とは思っていました」と言わせるのだ。(つづく)2024/01/05

rosetta

38
★★★☆☆タイトルに騙されてはいけない、これはれっきとした古川日出男による小説です。現代に紫式部を甦らせ『紫式部日記』を語らせるという体で、もちろん紫式部日記の本文を全部読んだことは無いからどこが創作なのかは判断できないけれど、日記部分は多分そのままなんだと思う。その上で紫式部はこう考えこう感じたのだろうなと想像しているのだ。清少納言や赤染衛門らのキャラクターへの批判なんかは教科書とかでも読んで面白かったな。なんにしろ今年は平安文学の大盛況2024/03/21

NORI

20
読み友さん紹介。今年3冊目となる憑依系紫式部日記。訳本による差を大きく感じたのは、一条帝の行幸のところ。他訳では、メインイベントの記述はそこそこに、同僚女官の装束のことばかり綴っていて、紫式部の女性的な興味関心のあり様が伺えて面白いと思った。一方本書では、装いの記述は省いて、イベントの解説を中心に据えている。この辺は男性的な訳と言えるかも。ココの印象はかなり違う。 若君誕生五十日祝儀における、紫式部と藤原実資・公任・道長の絡みが全編通して一番興味深いと思っていたが、そこがほぼ省略されていたのは残念。2024/05/13

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