内容説明
「家族と故郷」「愛」「日常」「生き延びること」「社会」「仕事」「記憶」
生活に根ざしたテーマで、早稲田大学教授が名作の魅力を再発見！
あなたの読書愛を再燃させる、人生のための書評集。
最近すっかり小説が読めなくなったあなたへ
朝日新聞書評を中心に、都甲先生の最新おすすめ小説てんこ盛り！
古典から最新作、日本から世界の様々なところまで。人生におけるままならないものとどう付き合うかについて、かすかな囁きに耳を澄まし、読書を通して考える書評集。
【目次】
・「家族と故郷」について
・「愛」について
・「日常」について
・「生き延びること」について
・「社会」について
・「仕事」について
・「記憶」について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くるみみ
18
ソフトな文学論かと思ったら書評集でした。帯に『あなたの読書愛を再燃させる人生のための書評集』って書いてあるの気付かなかった。私のように燃焼したままの人でも大丈夫。書き出しが全て魅力的で読みやすく簡潔な文章。選書も朝日新聞や日経新聞など大手媒体だからか、既読やタイトルだけ知っているものが割と多く、とても参考になって読みたい本が増えた。『大人のための』と書名通りに、『仕事について』などテーマ分けされている書評たちだけれど、著者の一貫した思考が感じられる収載順も良かった。2023/12/30
訪問者
7
こういう本を読むと読みたい本がどんどんと出てきてしまうのが分かっていても、知らない本について読むのはとても楽しい。今回はパク・ミンギュ、チョン・セランといった韓国文学の面々がとても気になる。これから挑戦して行きたい。2024/02/02
ganesha
6
69年生まれの米文学研究者による書評集。「まるで月面のようで、生命のかけらも感じない赤茶けた台地が延々と続くのを見ていると、アメリカ人はどうしてこんなところに住むんだろう、と心底、疑問に思った」とキリスト教教育を受けた幼少時に出会った長くつ下のピッピについてが印象に残った。ミヤギフトシのディスタントと黒田龍之助の物語を忘れた外国語が気になりつつ読了。2023/11/29
O-chami
3
69年生の翻訳家･早大教授、読売や朝日の書評委員歴任、直近5年の書評やエッセイの一冊。一つ気になる引用⇒『あなたを助けたい。苦しむ者を前に人はそう思い、間違いを指摘し良いやり方を助言する。だが「叱咤や批判で変わる人はいない」かくして相手は心を閉ざし全力で抵抗する。なぜ善意は失敗するのか。「正しい」言葉を発した瞬間、相手は正しくない者になる。いいからお前は私の言う通りにしろ。こうした言葉は暴力でしかなく、そして苦しむ者をより苦しめる。』BGMはKing Crimson「Book Of Saturday」🎶2024/03/01
Toshiyuki Marumo
3
都甲幸治さんの『大人のための文学「再」入門』を入手。 まえがきとあとがきを読んだだけで何故かちょっと泣きそうになった。 「最近ちょっと本が読めなくなったなぁ」と思っていたけど、また忽然と本が読みたくなってきた。 とても嬉しい事だ。2023/11/03
