内容説明
仰天スクープはこうして誕生した!―― 東京高検検事長のクビを取り、首相を窮地に追い込んだ、 若き「ゲリラ記者」の東奔西走奮闘記!
● 1999年4月9日付朝日新聞朝刊は、一面トップでこう報じていた。
「東京高検 則定検事長に『女性問題』 最高検、異例の調査へ 進退問題に発展も」
記事を読み終えると、すぐさま私はA子さんの携帯に電話。早朝の電話に困惑する彼女に、動揺を抑え、こう言った。
「今からすぐに荷物をまとめてください。今後少なくとも1週間はホテルで生活してもらうことになると思います。1時間後に迎えに行きます。理由は後で説明します……」
法務・検察当局や国会、そしてマスコミを巻き込み、その後1ヵ月にわたって世間を騒がせ、そして私のその後の人生にも少なからぬ影響をもたらした「則定スキャンダル」騒動の幕開けだった。――「プロローグ 未明の電話」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
9
以前著者の「襲撃 中田カウスの1000日戦争」本を読んでの繋がり。竹中労「ルポライター事始め」に似た自伝的作品だが、著者はこの本の書かれた時30代前半で若い。前著もこの本から10年近く経ってのものだった。神戸新聞社入社から阪神・淡路大震災や酒鬼薔薇聖斗事件などを担当した後1998年退社。同年噂の真相の記者となる。そこで東京高検検事長のスキャンダルや森総理大臣の買春検挙歴などをスクープしてからフリーになる決意をするまでが記される。「噂の真相」が休刊になり寂しくはあるが、著者はまだ若い。今後ともの活躍を望む。2021/06/10
funkypunkyempty
3
★★★★ 柳澤建氏の『2016年の週刊文春』で著者が度々登場!で、読んでみた。グイグイ読めてしまう。神戸新聞、噂の眞相、週刊文春を渡り歩いた個性的な書き手!この後、JRの労組について書くのだが、それを読む前にまずはこれ。2021/06/07
Yasutaka Nishimoto
3
文章がうまい。ぐいぐい読ませる。毎日のように新聞をつくるというのはこういうことか。ただ、著者の台詞が関西弁表記で、関西出身者から見ても読みづらいのは何故か。噂の真相は、昔一時期読んでいたことがあるが、とても怪しく刺激的だったのを思い出す。著者の在籍時だったかどうかは分からないが、いまでも時折読みたくなる。神戸新聞社時代から、噂の真相、その後の週刊誌記者まで、精力的に「読みたい」と思わせる著者の今後にも期待。2020/10/31
R Suzuki
2
伝説のスキャンダル誌「噂の真相」を勝手に懐かしむ秋の読書、第2弾。著者は阪神淡路大震災、サカキバラ事件の頃に神戸新聞の記者だった人。噂真転職後の仕事である検事正や総理大臣のスキャンダル記事は発売と同時に読んだが、その舞台裏がよくわかる。本物のジャーナリズム精神がありそうだと感じ夢中で読んだ時期もあったが、スキャンダル報道を真のジャーナリズムだと思い込む自分の勘違いに気づき、バックナンバーのすべてを捨てた。それでも懐かしく感じるのは、この同時代を著者だけでなく私自身も這いずり回って生きていたからだと思う。2014/10/10
Anaje
0
タイトルの印象とは裏腹に、まっとうな本。震災の記述では朝から涙ぐんでしまった。2017/03/18