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内容説明
その町では、海から帰ってくる者がいるという──。
東日本大震災から九年。当時岩手に住む小学生だった宏太は、父とともに静岡に避難し、親戚のもとに身を寄せた。
「故郷を捨ててきた」。その思いにさいなまれながらも、宏太は父の死をきっかけに故郷を訪れ、かつて家族同然だった老婆・砂婆に「楓を助けてやってくれ」と頼まれる。
謎の男に追われる幼い少女・楓は何かを探しているようだが……。
劇場アニメ映画化された『岬のマヨイガ』のアンサー作品!
岩手県出身、盛岡市在住の児童書の大家が「東日本大震災」で遺された者を描く。
何が人を故郷に惹きつけるのか?
人の生きる意味に迫る、少し不思議な町のお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
86
児童書。YA。重茂宏太(おもえこうた)は、震災の津波で祖父母と母と兄を亡くし、父とふたりで焼津の知人の家に引っ越した。「故郷から逃げた」と負い目を感じていた宏太だったが、父が亡くなってひとりになり、唐突に宮古市に足を向ける。祖母が仲良くしていた塩婆の近状を偶然耳にして、会いにいくと、宏太は楓(かえで)と出会う。塩婆は楓を守ってくれという▽東日本大震災で被災した町の物語。優しいファンタジー。2023年発行2025/06/15
がらくたどん
48
震災を被った土地で再生を願う人達が立ち去った者との再会を祈る『岬のマヨイガ』から10年。本作で描かれるのは「去った者」達の後ろめたさと望郷の思い。小学生の時に震災で父以外の家族を失い静岡に転居して成長した宏太は父の死後引き寄せられるように「故郷」の盛岡に旅立つ。宏太を待っていたかのっような不思議な少女。兄との思い出の神社で蘇る「くくり猿」達の声。受け入れられなければ消えてしまう事覚悟で海から来る死者にもう一度どこかで人間として生き直す道を拓く者達の伝説。「大丈夫、お帰り」と赦し受け入れられる事の意味を思う2026/02/23
Nyah
42
『岬のマヨイガ』のアンサー作品とのこと。あれは東日本大震災直後で避難した話だった。これは遺された者の話。東日本大震災から九年経ち当時岩手宮古市の小学生だった宏太は家が流され家族を亡くし、父とともに静岡の父の知人宅に避難している。父が昨年亡くなり、宏太は故郷宮古市に向かう。故郷は再建され、家族同様の老婆砂婆に「楓を助けて」と頼まれる。謎の男に追われる幼い少女楓。宏太は故郷の伝説「人魚姫の話を聞いて泣く子は海からきた」を知る。蘇った人の世話人砂婆[砂地さん]を知り、楓と共にいた思い出を思い出す。故郷は優しい2024/02/25
マツユキ
22
『岬のマヨイガ』のアンサー作品。東日本大震災から9年、故郷に一人帰ってきた宏太は、偶然、祖母の友人である砂婆の消息を知り、尋ねるが、何者かに追われる少女楓と出会い…。津波で町は変わってしまい、元に戻らないけど、人の繋がりの温かさは変わらない。おかえりなさい。はじめまして。ファンタジーも楽しい。それにしても、今は『人魚姫』のあのラストは主流じゃないのか。2024/01/16
anne@灯れ松明の火
19
新着棚で。「岬のマヨイガ」のアンサー作品だと教えてもらい、再読してから、一気に。「アンサー」であって、続編ではないので、「岬」の登場人物は出てこない。だから、これだけを読んでも問題はない。東日本大震災直後を舞台とした「岬」に対し、震災から9年後が舞台。家族、家を亡くした宏太は、父とともに静岡へ避難し、「故郷を捨てた」という後ろめたさを持っていた。震災後、そこで踏ん張ってきた人、避難した人、両方の想いを丁寧に描く。「岬」同様のファンタジックな設定とハラハラする展開。心のつながりの大切さを今度も強く感じた。2023/11/25




