内容説明
「僕にとってお笑いは、人に好きになってもらい、かつ自分を好きでいるための処世術なんです」(EXIT兼近大樹)
「笑いがない世界では、私たちは生き延びていくことさえ難しい」(中野信子)
なぜ人間だけがお金を払ってまで笑うのか? 「いじり」と「いじめ」はどこが違うのか? 笑いとリテラシーはどう関係しているのか? 「地アタマが良い」とはどういうことか?
「なぜ、私たちは笑いを必要とするのか」を大テーマにくり広げられる異色対談。兼近さんが見た、お笑い界のレジェンドたちがくり出すテクニックは、人間の奥底にある心理を刺激する方法だと中野さんは言います。
お笑い芸人のコミュニケーション力や、芸人が「おいしい」と思う状況、上手なリアクションを理解すれば、仕事はもちろん人間関係を豊かにしてくれることでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
assam2005
20
接点がないように思われるこの二人の会話。意外と面白い。お互いが違う世界を興味本位で覗いてみたら、珍しく、面白い世界が見えた、という感じ。兼近がもう一度勉強し直したいと相談したところ、中野先生が高卒認定を勧め、それをサポートしているとのこと。逆にお笑いに対しては兼近が先生に。見た目とは違う真面目な姿のギャップ、笑いに対しての考察の鋭さ・深さに、「なんという才能でしょう。かねちー、恐ろしい子…!(白目)」とある。怯むことなく「やってみよう」と思い、怯むことなく行動できるのは才能だろうか?スキルだろうか?2024/01/11
Sakie
18
兼近はなんか好きだ。中野信子も好きだ。二人のガチンコ対談は、とても面白かった。中野先生と生徒兼近。兼近先生と生徒中野。遠慮なしで釣り合って見えるのは絶妙だ。同時に、二人が慎重に狙い定めた戦略に、完全に自分がはめられていると気づいて笑ってしまう。笑う行為は人類が生き延びるために手に入れた特性、生来持っているHappy Pillsであり、人間社会を円滑にするための高度な技術でもある。その深遠を、彼は探っているのだな。それぞれのあとがきのちぐはぐ感がまた意外で、興味深い。同じ時代を生きる者として愛おしく思う。2023/12/06
FuSa
9
笑いについての科学的な知見と現場の実感をもとにした異色の対談、と思いきや、かねちーはかなり戦略的だし落語家さんの本で勉強していた。地頭がいいというのはたしかに感じるところ。どうせなら中野先生とは本書でも完全に感覚でお笑いやってると言われていた狩野英孝あたりと完全なる対極にいる人として異色の対談してほしかった。笑…でもそれだと本として成り立たないかな…2023/11/05
みずえ
6
異色の組み合わせですが、賢い同士の対談で、ストレスなく読み進められました。科学と実践両面から、お笑いについて色々勉強になった。面白くないと言う人は、面白さを理解する知性が足りてないのかも? というのはその通りだし、兼近君の善良さも眩しいばかり。2023/11/15
ブラック ミッフィー の チョコちゃん
5
兼近効果なのかな? この本の中野信子さんがとても可愛く感じ こんな先生に教えてもらいたいなあって思ってしまった。 料理屋で兼近くんの頭に機械をつけて脳波を調べる話し も最高! ゼロサムの話しも凄いと思った。 兼近くんがSNSでしょっちゅう叩かれれてるとは全く知らなかったけどこの本読んでこの人はすごい!と元気ももらえた。 間違いなく自分の中で何度も読み返したい本100冊に 入る面白い本だった。 2023/12/03