内容説明
いつだって、心も体もママナラナイ。
老いも若きも男も女も、心と体は刻々と変化してゆく――。
制御不能な心身を描いた、 極上の10の物語。
不動産会社に勤める斉藤尚弥は最近、何もかもうまくいかない。下半身も心も折れてしまい、おまけに仕事も絶不調――とある夫婦宅の立ち退き交渉が難航していたのだ。夫人によれば、立ち退きを拒否しているのは夫の方らしい。夫人の協力を得て交渉を続けるうち、思いもよらない事実が判明し――(『ママナラナイ』)。
表題作ほか、身体の変化を巡る十編を収録した珠玉の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちろ
16
3冊目の荒野さん。この短編集大好き! ままならない事を受け入れたり受け流したり。さまざまな方法があると思うと気持ちが楽になる。2023/11/04
えつ
15
日常のママナラナイを集めた10篇からなる短編集。いや〜どれも読後はざらり。心にヒューって風が吹く感じ。でも、嫌いじゃないんだよなぁ。荒野さん、2作目だからまだまだ全然分からないんだけど、こういう作風なのかな?…だとしたら、かなり好みではあるぞ…。 ダイヤモンドウォーターのインパクト強すぎて、なかなか次に進めなかったのはここだけの内緒。2023/11/10
きょん
8
ママナラナイ。しがらみや人生。上手く行かない。切ない。コロシタイ。いろんな気持ちが交錯する短編集。初読み作家さんだが自分の好きな乾いた味わいが良かった。2023/12/23
くりこ
1
ある著名な作家の方が「短編をうまく書くのは難しい」と。」要するに短編により力量があらわれるんですね。 本作は井上さんの短編集だけど、短編にありがちな話に乗らないうちに終わる、、、ということもなく、全編をとおして『ままならない』日常が流れている。 とりわけ10話あるうち、「あの子の名前」「約束」は秀逸。2024/03/02
you
1
井上荒野さん3冊目。匂いたつような空気感の表現にものすごく興味があるが、この本はあんまりピンとこなかった。もう少し探索してみたい作家。2024/01/05