ちくまプリマー新書<br> ケアしケアされ、生きていく

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ちくまプリマー新書
ケアしケアされ、生きていく

  • 著者名:竹端寛【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684639

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内容説明

他人に迷惑をかけていい!!★ケアは弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜けだして、自分のありのままを大切にするような、お互いがケアしケアされるそんな社会を目指そう!★ 〈著者からひと言〉この本は、ケアから逃げてきた私が、ケアと出会い直すことによって見えてきた世界を、みなさんにも馴染みがある3つの視点から考えてきた本です。1つめは20歳の大学生の世界です。私は大学生を20年近く定点観測してきました。その上で、今の学生が「他人に迷惑をかけてはいけない憲法」に縛られて、生きづらさを抱えているように思えます。それは一体どういうことなのか、を考えてみました。2つめは6歳の子どもの世界です。私の娘は今、6歳なのですが、「迷惑をかけまくって」楽しく生きています。安心して迷惑をかけられる環境で、のびのび生きています。でも、ちゃんとしなさい、と叱り続けると、そのうち親や教師を忖度する大学生になるのではないか、と心配しています。なぜ、のびのびした子どもが、その十数年後には「他人に迷惑をかけてはいけない」と縮こまる大学生になるのか? その背景を考えるうえで、3つめの世界、「昭和98年的世界」を生きる48歳の私の世界を考えています。昭和が終わって30年以上経っても、日本社会の基本的なOSは昭和時代のままです。理不尽な労働環境でもがまんする、抑圧的環境に「どうせ」「しゃあない」と諦める。それが、女性の管理職や政治家比率が低く、イノベーションが生まれにくい「失われた30年」の背景にあると私は考えています。そして、この世界は「ケアレス」な世界です。この閉塞感をこえるためには、日本社会がケア中心の社会に変われるか、が問われています。能力主義や男性中心主義の呪縛の外にある世界です。それは、共に思い合う関係性が重視されるし、そのためには自分自身の「唯一無二性」とも出会い直す必要があります。そんなの無理だよ!と理性の悲観主義に陥らず、ではどうやったらケア中心世界は可能なのか、について、できる一つの可能性を模索したのが、本書です。中高生にも読んでもらえるよう、わかりやすい文体を目指しました。よかったら、読んでモヤモヤしてくださると、嬉しいです。 竹端寛■【目次】 第一章 ケア? 自分には関係ないよ!/一 「迷惑をかけるな憲法」/他人に迷惑をかけてはならない/都合のいい子!?/大人から学んだ「いい子」/二 しんどいと言えない/意見を表明する権利/他人の顔色をうかがう/苦しいことと苦しみ/三 自分自身を取り戻す/ゼミで涙を流す学生/ペラペラしない他者/ about-ness からwith-nessへ/四 面倒な中に豊かさがある/ケア不在を超えるために/自分の魂に迷惑をかける?/第二章 ケアって何だろう?/一 確かに面倒なのだけれど/めっちゃ可愛く、めっちゃややこしい/存在をぶつける/意見表明の主体としての子ども/一方的にケアされる存在ではない!/二 自分へのケアと他人へのケア/子どもの「開かれ」/自分の人生へのリミッター/忖度の危機/作られた悪循環/偽解決を超えるために/三 他者へのケアの前に/支援か支配か?/関係性のダンス/同調圧力に異を唱える/誰へのケア?/四 互いが気にかけあう/自分へのケア/共に思いやること/ with-ness で生活を回す/何を見ようとしてこなかったのか/第三章 ケアが奪われている世界/一 ケアのないわたし/ケアレスとはなにか/同調圧力と「空気を読む」/自己責任とわきまえ/ケアレスな社会/二 「昭和九八年」的世界/労働ファースト/最も眠れていない国/頑張れば報われる、の呪い/前時代の大成功、ゆえに/三 標準化・規格化の「大成功」の陰で/昭和の成功を支えたもの/銀行型教育システムへの囚われ/「正解」幻想/昭和的価値観の限界/四 ケアの自己責任化を超えて/「発達」の「障害」?/置き去りにしてきたケア世界/自分が学んだことはこれなのか!/「ちゃんと」のリミッターを外す/第四章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ/一 生産性とケア/誰のための、何のための効率?/男性中心主義の外にある世界/能力主義の呪縛/「生産離脱者」の排除/二 責任の共有化で楽になる/依存先を増やす/関係性に基づくケア/懲罰ではなくエンパワーする責任/切り分けるのではなく、分かち合う責任/三 共に思い合う関係性/中核的感情欲求と向き合う/生き様の理解と支援/迷惑をかけるな、より大切なもの/他者の他者性に気づくこと/四 ケア中心の社会へ/己の唯一無二性とも出会い直す/魂の脱植民地化/葛藤を共に味わい社会化する/できる一つの方法論

目次

はじめに/第一章 ケア? 自分には関係ないよ!/一 「迷惑をかけるな憲法」/他人に迷惑をかけてはならない/都合のいい子!?/大人から学んだ「いい子」/二 しんどいと言えない/意見を表明する権利/他人の顔色をうかがう/苦しいことと苦しみ/三 自分自身を取り戻す/ゼミで涙を流す学生/ペラペラしない他者/about-nessからwith-nessへ/四 面倒な中に豊かさがある/ケア不在を超えるために/自分の魂に迷惑をかける?/第二章 ケアって何だろう?/一 確かに面倒なのだけれど/めっちゃ可愛く、めっちゃややこしい/存在をぶつける/意見表明の主体としての子ども/一方的にケアされる存在ではない!/二 自分へのケアと他人へのケア/子どもの「開かれ」/自分の人生へのリミッター/忖度の危機/作られた悪循環/偽解決を超えるために/三 他者へのケアの前に/支援か支配か?/関係性のダンス/同調圧力に異を唱える/誰へのケア?/四 互いが気にかけあう/自分へのケア/共に思いやること/with-nessで生活を回す/何を見ようとしてこなかったのか/第三章 ケアが奪われている世界/一 ケアのないわたし/ケアレスとはなにか/同調圧力と「空気を読む」/自己責任とわきまえ/ケアレスな社会/二 「昭和九八年」的世界/労働ファースト/最も眠れていない国/頑張れば報われる、の呪い/前時代の大成功、ゆえに/三 標準化・規格化の「大成功」の陰で/昭和の成功を支えたもの/銀行型教育システムへの囚われ/「正解」幻想/昭和的価値観の限界/四 ケアの自己責任化を超えて/「発達」の「障害」?/置き去りにしてきたケア世界/自分が学んだことはこれなのか!/「ちゃんと」のリミッターを外す/第四章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ/一 生産性とケア/誰のための、何のための効率?/男性中心主義の外にある世界/能力主義の呪縛/「生産離脱者」の排除/二 責任の共有化で楽になる/依存先を増やす/関係性に基づくケア/懲罰ではなくエンパワーする責任/切り分けるのではなく、分かち合う責任/三 共に思い合う関係性/中核的感情欲求と向き合う/生き様の理解と支援/迷惑をかけるな、より大切なもの/他者の他者性に気づくこと/四 ケア中心の社会へ/己の唯一無二性とも出会い直す/魂の脱植民地化/葛藤を共に味わい社会化する/できる一つの方法論/おわりに/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

97
「迷惑をかけるな」「頑張れば報われる」といわれ続けてきた生産性至上主義の呪縛から自分を解き放ち、人とつながるケア中心の社会を築くための若者へのメッセージ。そのためには、「他者にどうみられているか」と顔色をうかがい、他者からの評価を気にして生きるのはもうやめませんか、と説く。ここでのケアは、関心を向けること、配慮すること、ケアを提供すること、ケアを受け取ること、共に思いやることの5つ。まずは身近な他者と「違いを知る対話」をはじめること。それが、ケア中心社会に至る「できる一つの方法論」の入り口であるという。→2024/08/22

けんとまん1007

80
最初のほうにでてきた「苦しみ」と「苦しいこと」の違いに、思考が変わった。言語化というのが、数年前から、自分の中で大きな意味を持っていたこともあり、それとリンクして、そういうことかと腹落ちした。最近読んだ本とも響きあうように思う。内田樹さんの勇気論がその一つ。相手に思いを馳せるだけなく、自分自身にも思いを馳せること。with-nessの思考に膝を打つ。人が自立・自律するには、頼る人をどれだけ増やせるかだという熊谷晉一郎先生の言葉も取り上げられている。ケアする・されるは、双方向の姿でもある。2024/08/31

ネギっ子gen

73
【自分自身の「夢を生きる」ために、大切な立ち止まりの機会として、本書を――】忖度したり、空気を読んだり……。そんな社会は息苦しくて生きづらい。お互いがケアし合う関係になるには? 自分のありのままを大切にする「ケアのある社会」とは何かを考えた書。<本書を通じて、日本社会の抑圧や呪縛の世代間連鎖の社会構造をそのものとして学び(直し)、そこから逃れるあり方こそがケア的関係性なのだ、と気づいてほしい。私はそう願っています。自分が悪いと思っている問題は、社会構造的な抑圧や呪縛の個人化・内面化でもあるのだ>と―― ⇒2024/10/03

おたま

71
この本は、ケアはケアでも、まずは自己の内面をケアすること、人と人との関わりをケアすることを正面に据えている。この本が書かれた2023年を「昭和98年」と呼び替えて、未だに昭和の心性が残り、人々を強く拘束しているという。つまりモーレツな働き方で、集団として調整することを重視する(忖度!同調圧力!)が、今もそこかしこで残存している。そこから自己を解き放つことが必要な時にきているが、内から眺めたときに、その囚われている自分を自覚することが難しい。著者は自分の子育ての体験等を経て、少しずつ自分を解放していく。2024/11/02

venturingbeyond

37
部活引率の伯備線車中で読了。自立・自己責任・能力主義・自己肯定感(自尊感情)・迷惑をかけることへの忌避意識などなど、現代日本の生きづらさをもたらす自縄自縛の構造を平易に語り、著者自身の育児体験を基にオルターナティヴを提起する一冊。著者と同世代である自分にとっても、本書で示される生育過程で内面化された男性特権を正当化するあり方とその硬直性がもたらすセルフネグレクトの問題性は、納得できるものであった。「大人の学びは痛みを伴う」の一節が腑に落ちるケアの観点からの学び直し、自己の捉え直しに導く一冊。2023/10/29

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