精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門

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精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門

  • ISBN:9784772419864

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内容説明

精神分析を起源として独自の発展を遂げる,しかしこれまで決して名づけられることのなかった「ありふれた臨床」――――精神分析的サポーティブセラピー(Psychoanalysis Originated Supportive Therapy : POST)。「POST」とはどのような理論的基盤をもち,臨床フィールドにおいていかに実践されているのか,2つの事例とその逐次的解説を通じて「POST」の魅力と実践可能性を紹介する。

第1の事例では,「初期――混乱した出会いとPOSTのアセスメント」「中期――主治医との連携,環境のマネジメント,心理教育的アプローチ」「後期――頻度の変更,そして終結へ」を,第2の事例では,初期――精神分析的セラピー? POST?」「中期――転移の理解とPOSTの使用法」「後期――POSTから精神分析的セラピーへの移行」を,クライエントとセラピストのスクリプト,セラピストの自己内対話,セラピーの概要を記述したレポートからなる立体的な構成で紹介する。
続く「解説編」では2つの事例を踏まえて数々の実践上の問いを探究する――――アセスメント面接において何を考えるべきか? POSTはどのようなケースに向いているのか? POSTの中期はどう展開するのか? 介入において何を工夫すべきか? POSTの終盤をいかにガイドすべきか POST終結と精神分析的セラピーへの移行をどう判断すべきか?

POSTという実践の鳥観図となる「POSTの精霊――――「東京」で出会った心理士たち」(東畑開人)を付した,精神分析的サポーティブセラピー(POST)を今ある臨床実践に接ぎ木して根づかせていくための「はじめてのPOST実践ガイド」。

目次

序章:POST「再」入門

第I部:事例編(1)「竹取さん」
第1章:初期――混乱した出会いとPOSTのアセスメント
第2章:中期――主治医との連携,環境のマネジメント,心理教育的アプローチ
第3章:後期――頻度の変更,そして終結へ

第II部:事例編(2)「宇鷺さん」
第1章:初期――精神分析的セラピー? POST?
第2章:中期――転移の理解とPOSTの使用法
第3章:後期――POSTから精神分析的セラピーへの移行

第III部:解説編
第1章:アセスメント面接で考えること――POSTはどのようなケースに向いているのか?
第2章:POSTの中期はどう展開する?――介入の工夫と「心に留める」こと
第3章:POSTの終盤をガイドする――POST終結? 精神分析的セラピーへの移行? リファー?

POSTの精霊――――「東京」で出会った心理士たち/東畑開人

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろか

6
これは最高。東畑氏の「ふつうの相談」との姉妹本とも言えるかも。問題意識は同じ。過去の人たちの中では、この路線に批判的な人もいるが、少なくとも中堅、ポスト河合隼雄の世代にとっては、大変大事な問題。2023/09/18

むく

5
すごくいい本。読んでよかった。2023/10/13

言いたい放題

3
最高。よく使う防衛機制ってこういうことか。事例がすごい参考になる。東畑開人の文章はやはり面白い。2023/10/18

ちー

1
Psychoanalysis Orignated Supportive Therapy. 日本のありふれた心理療法に名前をつけたもの。訓練セラピーなしに逆転移の利用は難しく、厳格な枠設定のない臨床ではなおさらのこと。そのため、転移の理解は心に留め置いて解釈はしない。主訴に関する防衛と、“今ここ”ではない一般的な転移(歳上男性には遠慮しやすい等)解釈は伝える。あくまでも自我を支持し、退行抑止的に関わる。2025/04/04

マッサン

0
とても面白かったし、勉強になった。ただ、「精神分析的」の本著の定義がよくわからず、混乱するところがあった。2024/08/18

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