内容説明
花実母娘のルーツとなる祖母の壮絶な人生譚。
花実は中学三年生となった。進路を考える年頃。そして、ほんのり初恋の気配も。そんなある日、花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う。その事件から、花実は「金」に対しての意識がより強くなり、よりシビアな中三となる。事件の犯人が判明するが、それは予想外のほろ苦い結果に。
そんなある日、見知らぬ女性から祖母タツヨの訃報が届く。以前「太陽はいつもひとりぼっちだ」と言い放ち去って行った祖母。そして、その女性からタツヨの日記を渡される。そこには、暗く辛い昭和を生き抜いてきたタツヨの長い長い凄惨な人生が刻まれていた。それを読んだ花実は・・・・・・。
前半と後半ではまったく違う世界を味わえる作品。本当に二十歳の著者が書いたのだろうか、と驚く展開、描写。著者のまったく新しい一面を見ることが出来る渾身の長編小説です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
278
ショックだった。今作は花ちゃん目線の『金の星』と表題作の2篇からなるのね。そして、1話目と2話目は仕切り直されるのですけど、連続した話になっているのね。これ迄広げられてきた風呂敷の一つを畳んだ形ですね。いつ迄も続ける訳にも行かないのでしょうけど、エンディングに向かっている感じもして、それも少し淋しいかも。不幸って連鎖することってあり得るんじゃないかと思うのですけど、そのスパイラルから抜け出し、断ち切る真千子さん超偉い。超強い。(出たばかりで何ですが)次作はいつになるのでしょうか。その日を翹首致します。2023/10/17
いつでも母さん
193
貧しさは人を狂わせる。心に巣喰う鬼は私にもある。母として人として一度でも思ったことは無いか?「いなければ・・」思った自分を情けなくその悔恨は消えない。それでも願うのだ子の幸せを。親の平穏無事を―あの花実ちゃん中3の日々をがツンがツンと揺さぶられて読んだ。母・真千子と祖母・タツヨの真実を今知ってしまう苦しさよ。そこにあの人はいない。あぁ、赦すも赦さないもない。生きてきた日々は、命を終えるその時までただ願うだけなのだ。―るりかさんの新作は連作2話。どうしてもこの続きが読みたい。2023/11/06
zero1
163
人に歴史あり。どんな悲痛な内容でも。「太陽はひとりぼっち」の裏話とその後。「金の星」はスイス銀行にスナイパーと笑わせる技量は不変。高校受験が現実問題の花。母に事件が。雑草抜きの対価3万円。贖罪の3千円。吉澤が語る祖母タツヨの話。📚️表題作はタツヨの過去。読んでいて連想したのが「椿姫」と「錦繍」。男女と母娘の違いはあるが、想いの深さは共通。📚️小学生から小説を書いた天才少女も20歳。彼女が書きたいことは編集者の思惑と一致してる?イマジン、想像してごらん。名台詞多数(後述)。【おかーしゃーん】2024/02/06
モルク
152
「さよなら田中さん」で始まったシリーズも4作目。花実も中3となりちょっぴり恋の予感も。そんな時母が引ったくりにあい怪我をし仕事も辞めてしまう。あっけらかんとした母と金にシビアな花実。更に引ったくり事件は思わぬ波紋を呼ぶ。後半は祖母タツヨの話。母と疎遠、確執もあり他人より他人だった祖母が亡くなり日記が残されていた。そこには壮絶な人生と虐待し捨てた娘への思いが綴られていた。想像を超えた祖母の悲しみと孤独は辛い。それにしてもるりかさんも大学2年生か。筆力に更に磨きがかかり展開も上手い。これからも追いかけるぞ!2023/12/21
とよぽん
146
ますます磨きがかかったるりかさんの新作、タイトルからの想像をはるかに超える内容の作品。人生の暗闇から至福の心地まで、描いた世界の幅がものすごい。20歳の作者とは思えない。タツヨさんの壮絶な生涯はもちろんだが、私が一番驚いたのは、大家さんの息子賢人がクールな活躍で花実の傷心をフォローしたところ。タツヨさんのノートは・・・真千子さん、いずれ読むと私は予想している。続きを待つ!2023/12/02




