内容説明
日本語教師として東京の大学で働く台湾人の柳凝月(りゅうぎょうげつ)と、新疆ウイグル自治区出身の留学生・玉麗吐孜(ユルトゥズ)。恋人同士の彼女たちだが、柳がともに日本で暮らす未来を思い描く一方で、玉麗吐孜の心は揺れ動いていた。家族、政治、セクシュアリティー。共通の言語を持ち、幾夜も語り合ったはずなのに、柳は彼女が背負うものの重さを知らずにいたことに気がつき……。「ここでなら、自由になれると思った」――新日本語文学の旗手が描く、異国の地で出会った二人の女性の静かな祈りの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
60
冒頭、外国人向けの日本語の問題から始まります。これがとても巧いと思いました。台湾と新疆出身の女性留学生の物語。様々な角度から物語は紡がれます。静かに物語は進むのですが、在留カードを忘れてしまったことで起こる事件から、物語は大きなうねりを作ります。もちろん、そこから加速をあげて進む物語は深く考えさせられるものでした。民族はそれぞれの宗教や習慣など強いアイデンティティーを持つものです。だから一つになることはできないけれど、尊重することはできるはずなのだと思いたいのです。2024/03/06
キューカンバー
4
二人の女性の人生が交差するストーリーに引き込まれるようにして読了しました。他の作品も読んでみたくなる作家です。2026/03/25
ごま麦茶
3
東京で日本語教師をしている台湾人の柳凝月と、新疆ウイグル自治区出身の留学生の玉麗吐孜(ユーリートゥーズー)。女性同士の恋愛、故郷の家族のこと、言葉についてのお話。玉麗吐孜の分からない日本語や、柳との会話の表現のされ方に驚きながら、改めて言語について考えさせられました。静かで、なんだか寂しいような雰囲気で。でも、とても美しい情景。新疆ウイグル自治区、ニュースで聞いたことがあったけれど、あまり気にしておらず…。改めて世界を知るきっかけをくれた本でもありました。2025/11/27
Panja Morimoto
2
日本語を学ぶ留学生と教師の物語。ほとんど縁のない世界なので興味はあるけれど、人間関係が特殊なので想像の範囲から出られない。日本語を母語としない人たちから見た日本語学習の描写は興味深かった。2026/02/06
素敵帽子ちゃん。
2
日本語教師として東京の大学で働く台湾人の柳凝月と、新疆ウイグル自治区出身の留学生玉麗吐孜。家族、恋愛、政治、理解するって正解がないし、本当に難しい。自分は玉麗吐孜みたいに背負うものはないものの、自由とは何か、自由になるとはどういうことかについて考えた。2025/02/16




