内容説明
セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児となる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。本屋大賞受賞作家による最新長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
203
ガブリエル・ゼヴィン、2作目です。本書は、急成長するゲーム業界のクロニクル男女の恋愛友情物語の佳作でした。 100万部超のベストセラーになるのも納得です。 本書で、S●Xとゲームに共通点が多いのを知りました。 私は、両方共卒業していますが(笑) https://www.hayakawabooks.com/n/n151444124a732023/11/17
TATA
63
よかった。ラストでは少しうるっと。スーパーマリオが縁で病院で出会ったサムとセイディの二人、少し辛い別れを経てハーバードとMITの学生として再会する。ゲーム制作を通じての成功と諍い。そのいずれもが理解できてしまい、どちらにも感情移入させられてしまう読み手としての辛さ。ゲーム創世記の同じ頃を自分も見てきたわけで、そういったところもこの作品の深さに繋がるのだと思う。やたら日本語や日本文化にインスパイアされた記載もあり海外のゲーマーさん達が日本文化に親しむというのはこういう事なのかなと思ったり、楽しい読書でした。2025/10/05
ヘラジカ
60
文学とゲーム、交わることの少ない二つが深く結びついた魂の傑作。ゲーム(特にインディーズの)をこよなく愛する自分にとっては、最高を超えた特別な小説になった。この”不平等”な現実世界、そして人類が発明した究極の娯楽、その両方のプレイヤーだからこそ心の芯に共鳴するものがあったのだろう。素晴らしく面白い物語にとどまらず、他者との関係、人種や性別、過去や自我というしがらみに囚われながら生きることを描いた現代文学でもある。数年に一作、自分のために書かれたと思わせてくれる小説に出会うことがある。この傑作は正しくそれだ。2023/10/07
りんご
59
セイディ♀サム♂、そしてマークス♂をじっくりじっくり描写していく。時系列が飛ぶので、理解するまで少し時間がかかるが、その書き方をすることで登場人物になってしまう。人の思考ってあっちに行ったりこっちに行ったりするじゃん。だから悲しい事件が起きた時にはすごくダメージを負った。そこでエミリー・ブラスターは卑怯だ。 頭の ぴゅん なかで ぴゅん 葬儀を ぴゅん 感じた 人生はゲームだ。残機があるならリスポーン地点から再開だ。残機がないならニューゲームに挑むのも良い。これはどんどん読まれる本でしょ?2024/01/18
Kanonlicht
57
子どもの頃一緒にゲームで遊んだ男女が、大学生となり再会し、一緒にゲームを作る。クリエイターとしての才能を開花させた2人のゲームは大ヒットを記録し、立ち上げた会社にもさまざまな人が関わっていく。ゲーム開発者としての苦悩や企業の栄枯盛衰をベースにしながらも、テーマは徹頭徹尾、男女の友情。そんなものが存在するのかって話だけど、まさにそのとおりで、この2人もこじれにこじれる(笑)。著者は『書店主フィクリー~』もそうだったけど、偏屈な人物を描くのがうまい。2024/09/28




