内容説明
1964年、宇宙に質量が生まれた理由を6人の研究者が独自に推定した。だが、その鍵となる粒子の存在を予言していたのは、ただ1人だけだったーーノーベル賞の受賞から10周年、ピーター・ヒッグスの半生とヒッグス粒子の発見にまつわるドラマを精緻に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
izw
11
図書館で借りて前半第7章まで読んだところで返却する。予約が4件あり、次に読めるのは3ヶ月後。ピーター・ヒッグスはヒッグスボゾンで有名な理論物理学者で、質量のない光子が、質量をもつ粒子に変わることがあることを理論的に示した。2013年にノーベル賞を受賞し、つい10日前4月8日に94歳で永眠。1964年7月に書いた第1論文、その3週間後に書いた第2論文が、ノーベル賞につながる研究成果となる。そのどき、同時に6人の物理学者がほぼ同等の発見に至りながら、わずかな時間差、微妙な考察の差で、フィッグスが栄誉を受けた。2024/04/18
DEE
11
なぜ物体が質量を持つのか。質量を与えている素粒子の存在が予想されたのがほぼ50年前。そこから多くの物理学者、科学者、技術者が集まり、とんでもなくデカい陽子衝突装置まで作り、ようやくその存在が示された。素粒子の話は難しく理解できたなんてとても言えないが、「予想が知識に変わる」という言葉にロマンを感じるのは、その過程がドラマチックだったからだろう。そう思えただけでも十分に満足できた一冊。2023/12/06
スプリント
7
学術的なことはわからないがピーター・ヒッグスの半生について知ることができた。2023/11/26
とりもり
6
「標準モデル」完成のためのミッシング・ピースであるヒッグス粒子の存在を予測し、それから50年も経ってからその実在が確認されてノーベル物理学賞を受賞したピーター・ヒッグスの伝記。天才的にありがちな唯我独尊ではないとても謙虚な人柄が好印象。同じ理論を提示した人が6人もいたというのは驚きだが、唯一その確認方法まで示していたことが差別化につながったということか。個人的には、素粒子物理学の泰斗であるポール・ディラックや南部陽一郎がこの分野においても比類なき存在感を示していたということに感銘を受けた。★★★★☆2024/01/28
takao
4
ふむ2024/05/11