内容説明
そうだ。
不思議が起こるべきなのだ。
光る息子の指。人語を話す猿。人の形をした心残り。
不条理な世界で「俺」は、優しさを発揮しなければならない。
唯一無二の“奇譚”語り。舞城ワールド最新作!
「ママの体に光入った」幼い息子がそう告げたあと、半年以上触れていなかった妻の妊娠が発覚。一体何が!?
表題作「畏れ入谷の彼女の柘榴」に加え、人語を話す猿に導かれ行方不明者を捜す「裏山の凄い猿」、特別な家で育ったきょ
うだいの気付きを描く「うちの玄関に座るため息」の全三篇を収めた奇譚小説集。
『私はあなたの瞳の林檎』『されど私の可愛い檸檬』に連なる、シリーズ最新短篇集がついに文庫化!
目次
畏れ入谷の彼女の柘榴
裏山の凄い猿
うちの玄関に座るため息
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
eyemu
10
表題のお話、なんちゅう胸糞ストーリーなのよ!!! なんか、最初から最後まで嫌な感じだった。 本当に誉め言葉だけど、胸糞中の胸糞って感じ!!! 凄いよ、感嘆のため息でした。 妊娠した理由も。 させた理由も。 終わり方も。 あなたの元奥さん、かなり悪いヤツだよ。 良く何年も一緒に居て、子供まで作って何も気づいてなかったの? 絶対(日頃【絶対】って使わないけど、あえて使っちゃう)昔から人から嫌われるタイプだったはず。 だってその片鱗ないとあそこまで考えなしの嫌なヤツにはなれないよ。2024/09/25
glaciers courtesy
7
舞城王太郎の小説の一番魅力的なところは「やけに知的な青少年が交わす言葉のラリーが面白すぎる」という点に尽きると僕は考えている。そして本作でもその魅力は変わらず、丁々発止の会話がいつも通り爽快なのである。しかし今回、僕は初めて「うちの玄関に座るため息」で、その正義に向かっていこうとする言葉のラリーを過剰なもののように感じてしまった。ネタバレになるかもだけど「『後悔しない』という信念を放棄せずに後悔しても良いじゃないか」と思うのだ。人にとって最重要な権利は失敗する権利かもなと考えている僕にはとってはだけどね。2026/05/24
justdon'taskmewhatitwas
5
福井弁の持つ説得力って何なのだろう。人生の気づき(木付き→木偏?)に端を発するシリーズテーマをま、それ程説教臭くなく処理し物語にする力を福井弁は備えている、とでも言うのか──なんてことはデヴュー作から言えって話だが、今回どこかで「説明しねま」って言ってて、「しねま」か昔言われて結構きついわってなった事あるけど、直接話法で小説書こうってなったら、冗長はヤだけど"嘘"書きたくない時、方言て助けてくれる気がする。2024/05/08
栄吉
2
★★★☆☆ 奇譚小説三篇。木偏シリーズ三冊目になります。表題の「柘榴」が良かった。どのお話しも感じてしまうが、人物達が独特の感性を持っていると思う。2026/01/30
kintel
2
どこまでも舞城王太郎らしさが詰まった三編。会話主導で進行させていくとどうしてもラノベ感が出てくるはずなのにそうならない文体。むしろそれが人の実際の思考スピードと合ってるからスルスルとのめり込んでいく。そして超常現象もすんなりと受け入れられる世界観。それでいてひとつの物事に対して思考を深めることで見えてくる本質が描かれている。2026/01/02
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