講談社学術文庫<br> 精選訳注 文選

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講談社学術文庫
精選訳注 文選

  • ISBN:9784065332313

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内容説明

中国古典文学の集大成であり、中国文学の誕生とその進化を体現する、中国最古にして最大の詞華集「文選」(もんぜん)。南朝梁の昭明太子蕭統(しょうとう)が編集した、唐以前の詩文の精華となる美文集であり、模範文例集です。中国では科挙の模範とされ、日本では万葉集や日本書紀に影響を与えました。日本では平安貴族の必読書となり、明治期までは文章の手本とされてきました(清少納言、吉田兼好、大田南畝、永井荷風ほか多数)。
本書では、全三十巻から王粲、曹植、劉邦、李陵、陸機、曹丕、諸葛亮孔明などの秀作を厳選し、中国の古典文学研究の第一人者による充実した解説とともに全容を一望します。

【本書「総説」より】
現在の日本語の中で用いられている「文章」の語は、詩歌に対する散文を意識させることが多いが、中国語のもとの意味は、韻文・散文をひっくるめたありとあらゆる種類の書きものということである。そしてこの「章」という字の原義も、やはり「あや」とか「かざり」とかにほかならない。だから「文」ないしは「文章」の語には、「美しい」という概念が生まれついてのもちまえとして備わっているといっても、決して言い過ぎではないのである。

【目次(抄)】

総説

文選の序


登楼の賦
洛神の賦
蕪城の賦
恨みの賦


大風歌
秋風の辞
蘇武に与う 三首(うち一首)
怨歌行
飲馬長城窟行
古詩十九首(うち五首)
短歌行
七哀詩 二首
従弟に贈る 三首(うち一首)
雑詩 二首(うち一首)
公讌
応氏を送る 二首(うち一首)
美女篇
雑詩 六首(うち一首)
詠懐詩 十七首(うち二首)
悼亡詩 三首
詠史 八首(うち三首)
洛に赴く道中の作 二首(うち一首)
雑詩 十首(うち一首)
五君詠(うち一首)
池上の楼に登る
石壁の精舎より湖中に還りて作る
江中の孤嶼に登る
詠史
東武吟
宣城に之かんとして新林浦を出で版橋に向かう
雑体詩 三十首(うち二首)
范安成に別るる詩

文章
出師の表
呉質に与うる書
典論論文
山巨源に与えて交わりを絶つ書
情事を陳ぶる表
北山移文

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

かとうさん

5
漢詩などを読むのは中高生以来で、読み切ることができるかかなと思ったが結構気にいった本。杜甫や李白などの漢詩は含まれておらず、それ以前の詩や賦や公的な文章から名文を選択したもの。 私個人では、江淹の「恨みの賦」や、無名氏の「古詩十九首」、謝礼運の「石壁の精舎より湖中に還りて作る」、 曹丕の「典論論文」とあとその弟曹植の「美女編」なんかは印象に残っている。2024/05/18

中村禎史

0
これは大変良かった。折に触れて読み返すもの。 今回読んで特に良かったと思うもの:潘岳「悼亡詩」(亡くなった妻を思う)、謝霊運「石壁の精舎より湖中に還りて作る」、曹丕(魏文帝)「呉質に与うる書」(古今の文人について語りながら、自らの若き日の反省などに触れる。曹操の後継者である傲岸な政治家の印象が変わった。少壮真に当に努力すべし、年一たび過ぎ往けば何ぞ攀援(引き戻す)すべき)、嵆康「山巨源に与えて交わりを絶つ書」(決裂して絶交するのではなく、自分と繋がっていると政治的に危険なので絶交すると言う手紙) 2024/04/04

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