内容説明
猫、病い、子育て、若さ、おばあさんになっていくこと……。絵本作家で名エッセイストでもあった著者が、還暦過ぎての日々をつづったエッセイを復刊。よくぞ言ってくれましたとうなずくこと間違いなし。新装版に際し、三浦しをん氏が解説を寄稿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niki
4
NHKで『ヨーコさんの言葉』という5分間番組を見て、笑い、泣き、佐野洋子のエッセイを一気に読んだのが何年前だったのかはわからないけれど、このタイトルの本は読んでいなかった、はず。 彼女の言い回しや句読点の使い方は絶妙で、誰も真似できないと思う。 弟を亡くした話は知っていたけれど、短い文でも絶望と自分を責める心が苦しいほどに伝わってくる。 父親のうなぎの話はせつない。「今高校生か中学生だったら、もうバンバンのルーズソックスをはきたい。はけばいいでしょう」には爆笑。 正岡律については私もそう思ってました。2023/05/27
あきこ
1
本書はずいぶん前に書かれたものだが、とても共感できる。時間の経ったエッセイを読んで何となくそぐわない感覚を感じることがあるけれど、それがないのだ。それは佐野さんが時代の空気とか世相とか、そういうものを一切無視して自分の感覚で生きていて書かれたものだからだ。そしてそれが面白いということは、誰しも無意識の中で感じていた違和感を文字にしてくれているからだろう。本当に久しぶりに読むと楽しい。2024/02/12
iroiro
0
佐野洋子さんのエッセイは、とても好きだ。絵本も最近「100万回生きたねこ」がドラマで取り上げられていた。絵本も好きだ。ちょっと世の中を斜めに見ているようなかわいいだけでない絵がいい。あれもこれも好きだ。 人権感覚に照らして不適切と感じられる表現があるが、そのままにしたというコメントが書かれていたが、もしこの本の文章や表現が変えられたりしたら、それこそ不適切、三浦しおんさんが言うように時代を超えて共感できる。私も自分らしく死にたいし、河合隼雄さんの「Q&Aこころの子育て」はみんなに読んでほしいと思う。2023/03/28