文春e-book<br> うるさいこの音の全部

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文春e-book
うるさいこの音の全部

  • 著者名:高瀬隼子【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2023/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163917610

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内容説明

小説と現実の境目が溶けはじめる、サスペンスフルな傑作
嘘だけど嘘じゃない、作家デビューの舞台裏!

「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんが挑む新たなテーマはなんと「作家デビュー」。

ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき……職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

337
芥川賞作家・高瀬隼子さんの第5作ですね。ある会社の正社員として働く傍ら、文学賞に応募した作品が認められて単行本化されたラッキーなヒロインが、続いて書いた2作目が何と芥川賞を受賞してしまう。本書はヒロインの経歴を除けば作者ご自身の心境を書かれている様にも受け取れますね、人間というのは周囲からおだてられもてはやされるとどうしても本来の自分のままではいられなくなり悪い方に変質してしまうものなのだろうかと考えてしまいますね。普通の平凡な言動では読者に飽きられると恐れるあまりに過剰なサービス精神に駆られるヒロイン。2023/10/17

starbro

255
高瀬 隼子、4作目です。半分私小説的な芥川賞受賞後反響小説、著者版『うっせぇわ (Usseewa)』 といった感じでした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639176102023/11/03

とろとろ

123
読み始めは、著者の頭の中の事柄と現実世界で著者が話した言葉が分けて書いてあると思っていたけれど、いつの間にか現実と頭の中の世界がごちゃ混ぜになって、どこまでが頭の中の話なのか現実なのか、もう何だかわけわからんようになった。読んでいる自分の頭の中もこんがらがって、「どうせ話すことは逆だろう」とか「思っていてもしゃべらないで話を合わせるだけなんだろう」とか、だんだん第三者目線で、どんどん冷めた気分になって読み終えた。とにかく、これは芥川賞作家らしい話だなと。感想はそれだけしか浮かんでこなかったm(_ _)m。2024/03/12

シナモン

121
これでもかと溢れ出る建前と本音。ぐちぐちと煮えきらない主人公。作家さんって大変なんだなぁ。高瀬さんが描く主人公はほんと嫌いなタイプが多いし、読後感もモヤモヤなんだけど新作出ると読まずにいられない。2023/10/26

道楽モン

109
限りなく私小説風の創作で、虚々実々の境界を想像しながら読むのが楽しい。2篇の作品舞台の間に、作者本人の芥川賞受賞があり(実際は受賞前に書いたらしい)、兼業作家の社会生活と、一躍有名になってからのマスコミ取材で自我を喪失しそうになる様子が切実ながら可笑しい。とはいえ、高瀬隼子らしい対象への距離を保ってシニカルに描写する視点は何も変わらない。自身の不安と外野からの騒音をも受け飛ばし作品に仕上げるあたり、作中の作家より数倍もしたたかだ。やはり高瀬隼子、読み続けるしかない。2023/11/28

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