日本語に生まれること、フランス語を生きること - 来たるべき市民の社会とその言語をめぐって

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日本語に生まれること、フランス語を生きること - 来たるべき市民の社会とその言語をめぐって

  • 著者名:水林章
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 春秋社(2023/09発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784393333976

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内容説明

「天皇を戴く国家」か「市民による社会」か――今日の日本社会の危機的状況の根源にある、日本語に固有の言語問題と、その背後にある天皇制の呪縛に光をあてる渾身の批評。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

34
粗雑な要約をすると日本には市民が存在せず、社会がない。その理由を天皇制を土台とした支配構造に求め、日本史学、そして日本語の構造に着目して語っていく論考。人と人が対等な関係で話し合う場も習慣もなく、常に上か下かを意識せざるを得ないことを日本語の構造に求め、あるいは「道理」を根本に置いた鎌倉時代の武家法「御成敗式目」に注目し、また今の政治状況を支える保守的投票者とひたすら自分の快を求めて外に関心を向けない非投票者にも言及。言語構造については中国・韓国語との比較も必要ではないかと思うが、こういう視点で考えた ⇒2024/12/15

tsukamg

2
日本で生まれ育ち、暮らしているにも関わらず、なぜ著者はフランス語で著述活動をするようになったのか、順を追って説明しながら、日本語が持つ構造的な宿命について論じている。トーンとしては日本の政治や社会への批判ではあるが、その源は日本語の言語構造にあるとしているところが面白い。また、『壊れた魂』の序盤で、弦楽四重奏の稽古をする四人がなぜ敬語抜きの会話をしようとしたのかについても、作者の意図として納得できた。黒澤明『七人の侍』における菊千代の分析も面白い。2024/02/12

ガリンペイロKT

0
私たち日本人は、日本語で思考する。ということは、私たちの思考は無意識のうちに日本語の構造に拘束されるわけだ。例えば無意識に使い分けている人称は、話者と聴者の関係性(立場)に拘束されている。そのような事例を例示しながら、現代に生きる私たちの思考が律令時代から拘束され続けていて、未だにアンシャン・レジームを生きていることを明示してくれる。2024/05/20

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