日本の初期テレビドキュメンタリー史

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日本の初期テレビドキュメンタリー史

  • 著者名:丸山友美
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 青弓社(2023/09発売)
  • ポイント 40pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787235282

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内容説明

1957年からNHKで放送されたテレビドキュメンタリー・シリーズ『日本の素顔』は、戦後社会で映画とは異なる新たな表現を切り開いた。初期テレビ制作現場に集った人々はどのようにテレビドキュメンタリーを創造し、どのように『日本の素顔』を作り上げていたのか。

本書では、放送アーカイブを活用して現存する『日本の素顔』を視聴し、当時の資料を渉猟し、関係者へのインタビューを積み重ね、当時の制作現場での試行錯誤や模索、様々な実践に光を当てて、テレビドキュメンタリーという表現形式の独自性を明らかにする。

具体的には、大阪中央放送局の番組制作の実態、制作現場で立ち上がる規範や葛藤、『日本の素顔』唯一の女性プロデューサーの実践などから、東京中心の初期テレビドキュメンタリー史に東京/大阪、男性/女性、エリート/アシスタントという視点を挿入して、『日本の素顔』の複数性と重層性を浮き彫りにする。

これまでの初期テレビドキュメンタリー史では十分に記されてこなかった番組制作の営みや、ドキュメンタリーという表現が内包するグラデーションを可視化する労作。

目次

はじめに

第1章 放送アーカイブを活用した初期テレビドキュメンタリー研究
 1 問題設定と先行研究
 2 研究目的
 3 研究方法
 4 本書の構成

第2章 テレビドキュメンタリー前史としての「録音構成」――NHK『街頭録音』と『社会探訪』
 1 占領軍によるマイクの開放
 2 戦後のラジオ表現は、アメリカ生まれの日本育ち
 3 全体主義から民主主義への急速な転換
 4 録音構成番組が開拓したドキュメンタリー表現
 5 『日本の素顔』を見直す際の見通し

第3章 ラジオと映画が交錯するテレビドキュメンタリー――第八回「日本人と次郎長」 
 1 開かれたテレビの可能性
 2 ラジオ文化の「社会番組」をテレビへ移植する試み
 3 テレビドキュメンタリーの成立
 4 アマチュアからの脱却、テレメンタリィからの後退
 5 抑え込まれたテレビらしさと希求されたテレビらしさ

第4章 BKの取り組みにみる初期テレビドキュメンタリーの展開――第八十六回「子どもの見た夏休み」
 1 地方/大阪からみる初期テレビドキュメンタリー史
 2 放送史のなかのJOBK
 3 ドキュメンタリー表現にあらわれた上方「放送」文化
 4 「BKらしさ」が生み出したテレビドキュメンタリー
 5 初期テレビドキュメンタリー史に埋もれたもう一つの顔

第5章 ポリフォニックなテレビドキュメンタリーの展開――第百十七回「三行広告」
 1 女性ディレクターから見た初期テレビ制作の現場
 2 初期テレビ制作の現場に立つ女性ディレクター
 3 「女性」がいない初期テレビドキュメンタリー制作の現場
 4 初期テレビドキュメンタリー史のジェンダー・バイアス
 5 ジェンダー化されたアーカイブという壁

第6章 〈サラリーマン表現者〉の葛藤――第百三十九回「政治テロ」
 1 自由で責任あるテレビ
 2 異なる「制作現場の知」が交錯する〈東京〉
 3 規律される「表現の自由」
 4 初期テレビドキュメンタリーの周縁化
 5 テレビ制作者の「日常」は終わらない

おわりに

あとがき

巻末資料 書き起こし構成表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

4
これまでのメディア論における映像研究が、ともすればわかりやすい表象や表面上の言説を小難しい理論で分析する空中戦に止まりがちだったところを、取材や調査によって作品制作の一次的な事象に研究者自ら立ち入って作品を分析しようというスタンスに立って、これをテレビドキュメンタリーの研究に適用した意欲作。いわゆるプロダクション・スタディーズというものをきれいに代表するかはさえておいても、これまで実証的な研究の不足と過剰な文学寄りのスタンスがメディア論への信頼と実用性を損ねていたことを思うと、画期的な研究だと思います。2024/06/03

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