内容説明
憲法がわかれば日本がわかる。稀代の碩学、小室直樹が聖書学、政治思想史、経済学、社会学……、ありとあらゆる学問を総動員して行う憲法講義。2006年刊行の名著を新装版に。憲法とはいったいどういう存在なのか? 国を守るものなのか? 国民をどこに導くのか?/橋爪大三郎氏(社会学者)による解題を収録。
目次
第1章 日本国憲法は死んでいる
第2章 誰のために憲法はある
第3章 すべては議会から始まった
第4章 民主主義は神様が作った!?
[コラム]かくして議会は誕生した――イギリス憲法小史
第5章 民主主義と資本主義は双子だった
第6章 はじめに契約ありき
第7章 「民主主義のルール」とは
第8章 「憲法の敵」は、ここにいる
第9章 平和主義者が戦争を作る
第10章 ヒトラーとケインズが20世紀を変えた
第11章 天皇教の原理
第12章 角栄死して、憲法も死んだ
第13章 憲法はよみがえるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
45
憲法が入口になっているが、近代社会の成り立ち、いっけん複雑にみえる仕組みをかなり分かり易く口述してくれている。著者の本に共通して言えることだが、誰でも分かる言葉で極めて平易に書かれている。現在、専門家が優勢の時代だが、全体の構図が分からずに知識だけ入れていくと、そもそもなぜそれが議論されているのか、その考え方が重要なのかを端的に応答できない。専門家とは、言い換えると権威主義のことではないか。SNSでは専門家を尊重すると言いつつ、その権威を借りてアテンションを得る。著者はそれと真逆の姿勢であり、「改題」を書2024/08/30
ふみあき
44
著者の本は初めて手に取ったと思うが、宮台真司や橋爪大三郎のお師匠さんらしい、外連味溢れる文体に引き込まれ、あっと言う間に読了。「憲法は慣習法であり……生かすも殺すも、結局は国民次第」という一事に尽きる。憲法も民主主義も人権も、欧米で誕生した歴史的経緯(特にカルヴァンの予定説)と切り離しては考えられない。古い本の新装版だから仕方ないが、苛烈な官僚批判とか、今となっては少し懐かしい。あと、戦後の「アノミーを作り出した原因を遡っていけば、それはすべて新憲法にたどり着いてしまう」とかは、さすがにうさん臭い物言い。2024/05/12
ta_chanko
19
戦後の日本は「天皇教」を棄てたために国民の間にアノミーが広がり、その中で「憲法の死」「議会の自殺」「官僚支配」状態に陥っている。もともと民主主義と資本主義は西欧で生まれた「予定説」から発展したもの。その歴史も伝統もない日本は明治維新後、「神」を「天皇」に置き換えて無理やり資本主義と民主主義を導入し、アジアで唯一、近代化に成功した。しかし国民・マスコミ・議会・軍部が自ら民主主義を壊し、勝ち目のない戦争に突き進んで亡国の憂き目に遭った。戦後は先述したとおり。今後はどこに向かうのか?2025/09/01
ぶっだにあ
4
憲法を入り口に、議会、資本主義、民主主義の根幹の話から日本の現状分析がなされる。 現状分析については、さすがに悲観的過ぎるきらいもあるが、全体的に非常に多くの学びが得られた。再読必須。2024/09/14
linbose
2
★★★★★ 憲法のもとになる政治思想(史)から日本社会の現状までを対話形式で熱く語る▼気づきの多い著作だが、時に独特のレトリックでビーンボールかと紛う内角高めの剛速球も投じられるので、他の政治思想史の著作と併せ読むと良いかもしれない▼西洋のキリスト教に相当する天皇教(現人神の天皇)という社会の機軸を失って日本はアノミーに陥っている。この危機的状況を打開するには、その現実をそれぞれが直視し自分なりに考えて一歩を踏み出すしかない。民主主義にも憲法にもゴールはなく、それを求める努力こそが本当の民主主義であると2025/01/28
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