内容説明
バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース……
「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」
コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」に辿りつく。ベテランのマナルイコンビ、超コミュニカティブでパーリーピーポーのヤクモ、大概の欠点ならチャラになるくらいかわいいメイちゃん、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、ちょっとうさんくさい岡本くん……バイト仲間との愉快で切実な日々を描いた作品集。
「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」、最高のバイト小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
315
コロナ禍のイタリアンレストランに入った普通の陰キャのヒロインが周囲の陽キャの方々とハジケテマザッテ毎日とことん楽しく働いてゆくコミカルで躁状態がどこまでもエンドレスで続くドタバタ喜劇のバイト小説です。まあ今時の都会の若者達のハチャメチャさに年寄りの私はついていけないと感じた面もありますが、でも若さの持つ無限のパワーが羨ましくもありますね。とにかく今の自分を信じて突っ走れば全てオーライで心配なく何をやってもうまく行きそうな元気と自信をもらえるハイテンションな一冊で爽快な読後感でした。#NetGalleyJP2023/10/23
starbro
223
金原 ひとみは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、今時のバイト小説連作短編集でした。 オススメは表題作「ハジケテマザル」です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003814552023/10/20
さてさて
201
『どうして私は他人のことをこんなに観察しこんなに探り、こんなに考えてしまうのだろう。まじで人と自分を比べてばかりの人生だ』。『コロナ禍』で『派遣切り』に遭い、『イタリアンレストラン』でバイトの日々を送る主人公の真野。この作品には、そんな真野がバイト仲間とはっちゃけた日常を送る姿が描かれていました。金原ひとみさんらしい強烈な推進力でぐいぐい読ませるこの作品。カタカナが多用され、スピード感のある展開も重なって少し酔いそうになるこの作品。かっ飛んだ書名そのままに、はじけるような読書を楽しめる、そんな作品でした。2024/07/20
hiace9000
180
コロナ禍という非日常。その日常に出現したフェスティヴィタは真野にとってのハジケル非日常の「ハレ」。閉塞感で鬱化した、あの頃の「ケ」をライブ感と臨場感漲る口語体でマザレとばかり読み手を巻き込み、え今ってここ押さえといたほうがよくない?を活写する。金原さんの小説に落とし込まれるリアルな感覚自体が"超絶"現代的で、個々が内に抱える"普通コンプレックス"に肉薄してというかもはや同化して、時代感知アンテナなんて突き刺さるくらい立ってる感しかない。自分の在り方を認めてみる心豊かな生き方を一周回って自己肯定してみる。2024/05/04
榊原 香織
104
イタリア料理店のバイト仲間、楽しそう。 しゃべりが面白い。作者40歳だそうだけど、20~30歳位の口調かな?2025/11/11




