内容説明
「武士を生かすも殺すも、わしらの腕一本や」――こう言い放つ気概ある具足師たちが、真田信繁を日の本一の兵(つわもの)にした! 本作の主人公・岩井与左衛門は、南都奈良の具足師(甲冑師)の家に生まれ、修業を積んでいたが、あるとき「ズクを打った」(不良品を作った)と言われ、勘当される。その才能を惜しみ、目をつけたのが徳川家康。徳川軍が信濃の国衆・真田との戦いに惨敗した理由は、真田兵が身に着けている「不死身(しなず)の具足」にあり、と考えた家康は、与左衛門に真田潜入を命じる。甲賀の忍びの女と夫婦を装い、真田の本拠地・上田に入った与左衛門だったが、そこで思いがけない光景を目にする。赤備えをつくった具足師たちの命がけの闘いを描いた、戦国エンタテインメント。真田vs徳川のもう一つの死闘に、手に汗握る傑作長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
62
図書館本。なぜか真田の兵は死なぬ。その秘密を探るために送られた具足屋。その流転の運命を描く。読みやすく、中身も濃い。★★★★☆2024/02/02
猿吉君
61
鎧を作る人の物語、戦国時代なので壮絶で人がバタバタ死んでいき、その中で鎧の進化が語られます。①かなり細かな鎧の技術について記載ありますが読み飛ばしても問題なし。②秘密を探る=忍び=スパイ、ばれたらそりゃ・・・③真田の兄弟、生き残るのも散るのも決まっていても引き込まれます。④家康はここでも悪役。点数80/100→ちょっと人が死に過ぎて辛いんですが戦ってこういうもの、刀→鉄砲へと時代の移り変わりで鎧の性能も変えていくところが面白かったです。2024/10/28
ともくん
37
不死身の真田兵。 その秘義は、具足にあった。 徳川家康は、真田の具足の秘密を暴くため、間者を送り込む。 それが奈良の具足師、岩井与左衛門。 十余年、真田家で具足を作り続けた。 次第に、真田家の中心へと入り込む。 ただの具足師だった男の運命や如何に。2024/01/18
Atsushi Kobayashi
26
具足もネタになるんだ!というのがまずは驚きでした。 大枠の流れはふーん、ということで、良い感じです。 ただ、文章の部分が微妙について行くのが厳しくって、この台詞は誰がはなしているのか、って読み返すことがおおかったです。2023/10/26
モーモー
23
真田にある不死身の具足を探すため、真田家に潜入する岩井与左衛門。真田家にはもう1人の源三郎として、織田家4男が具足を作成。 真田に惹かれ読んでみたが、具足という今までにない切り口で読めました2024/03/15