内容説明
「武士を生かすも殺すも、わしらの腕一本や」――こう言い放つ気概ある具足師たちが、真田信繁を日の本一の兵(つわもの)にした! 本作の主人公・岩井与左衛門は、南都奈良の具足師(甲冑師)の家に生まれ、修業を積んでいたが、あるとき「ズクを打った」(不良品を作った)と言われ、勘当される。その才能を惜しみ、目をつけたのが徳川家康。徳川軍が信濃の国衆・真田との戦いに惨敗した理由は、真田兵が身に着けている「不死身(しなず)の具足」にあり、と考えた家康は、与左衛門に真田潜入を命じる。甲賀の忍びの女と夫婦を装い、真田の本拠地・上田に入った与左衛門だったが、そこで思いがけない光景を目にする。赤備えをつくった具足師たちの命がけの闘いを描いた、戦国エンタテインメント。真田vs徳川のもう一つの死闘に、手に汗握る傑作長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
59
図書館本。なぜか真田の兵は死なぬ。その秘密を探るために送られた具足屋。その流転の運命を描く。読みやすく、中身も濃い。★★★★☆2024/02/02
ともくん
37
不死身の真田兵。 その秘義は、具足にあった。 徳川家康は、真田の具足の秘密を暴くため、間者を送り込む。 それが奈良の具足師、岩井与左衛門。 十余年、真田家で具足を作り続けた。 次第に、真田家の中心へと入り込む。 ただの具足師だった男の運命や如何に。2024/01/18
Atsushi Kobayashi
26
具足もネタになるんだ!というのがまずは驚きでした。 大枠の流れはふーん、ということで、良い感じです。 ただ、文章の部分が微妙について行くのが厳しくって、この台詞は誰がはなしているのか、って読み返すことがおおかったです。2023/10/26
モーモー
22
真田にある不死身の具足を探すため、真田家に潜入する岩井与左衛門。真田家にはもう1人の源三郎として、織田家4男が具足を作成。 真田に惹かれ読んでみたが、具足という今までにない切り口で読めました2024/03/15
けえこ
17
初読の作家さん。 徳川の隠密でありながら真田に忠誠を尽くした具足師の物語。 「人使いは最悪だが、いい頭」 「あなたがおられる限り、わしは真田と心中する覚悟」 とても読みやすく、引き込まれてしまった。 これを機に真田太平記に挑戦してみようかな。2024/04/01